Windows 8 のアップグレード手順...
16 日からダウンロードが可能となった Windows 8 ですが, ここまでのところ, 実機である Prime Erdes PAD NT1 での Windows 8 RP からのアップグレード, VMware Workstation 9β での Windows 8 RP ゲストからのアップグレード, Parallels Desktop 7 for Mac のゲストへの新規インストール…と, 3 回インストールを行っています。 拙作ソフトの動作確認用ということで, 前者 2 つは Windows 8 Pro (x64) で実機とゲストの比較的出荷状態 (OS のみインストール。) に近いもの, 3 つ目が Windows 8 (x64) でゲストへの新規インストール…と, それぞれ異なった環境となっています。
大まかなパターンは掴めたので, 一番重要且つ ありふれたケースとなりそうな「真っ当な Windows 7 環境からのアップグレード」を試したいところなのですが, いきなり実機で行うのは下手をすると当該環境を ぶち壊す結果となってしまいますので, ここは VMware 9.0β の Windows 7 Ultimate (x86) ゲストを犠牲にして実験してみることにしました。 (笑)
せっかくなので, 覚え書き代わりにインストール中の手順を一通り上げておきます。
アップグレードする環境ですが, 上で書いたとおり, メイン PC である dynabook Qosmio T851/D8CR にインストールされた VMware 9.0β の Windows 7 Ultimate (x86) ゲストです。 画像が小さくて何が何だか解らないと思いますが, 画像をクリックするとフルサイズの画像へ辿れます。 リンク先が Twitpic なのでサムネイル経由となりますけれど:
旧メイン PC である Satellite WXW/78DW 時代の環境を大まかに再現してあるので, MS Office 2007 Personal, Norton Internet Security 2012, Acronis Migrate Easy, PowerX PerfectDisk 10,etc. といった業務用やツール類のソフトもインストールされています。 要は小規模ながらも ある程度平均的な Windows 7 環境を再現してあるわけですね。 動作確認には「OS のみがインストールされた ほぼ新の環境」も必要ですが, ある程度ソフト類のインストールされたものも必要ですので…。 「ゲストのクローン作成」という保険を掛けた上で, ここでは あえて「何もアンインストールせずに」アップグレードを行うことにします。
さて, 犠牲者も決まりましたので早速 Windows 8 のインストールメディアを使用してセットアップを実行します:
セットアップを実行すると, 左画像のとおり「Windows 8」の小さなウインドウが表示され, セットアップが開始されます。 アップグレードを目的としたセットアップについては, 必ず管理者権限でログインした状態から始めて下さい。 メディアブートで実行してしまうと, 忘れた頃 (インストール方法の選択後。) に右画像のような警告が表示され, セットアップを中止せざるを得なくなります。
セットアップが開始されると, まずは更新プログラムをインストールするかどうか聞いてきます。 特定機種で発生するトラブルを回避するためのパッチが配付されたりすることがありますので, 特に問題がなければ「インストールする」を選択しておけば良いでしょう:
「インストールする」を選択すると, 右画像のように更新プログラムの有無を確認した上で, 必要ならダウンロードが行われます。
更新プログラムのチェック等が終わると, プロダクトキーの入力を求められます:
Windows 7 と異なり, Windows 8 では Windows Vista 等と同じく, プロダクトキーでインストールするエディションが決定されますので, 正しいエディション用のキーを入力するようにして下さい。 間違えると新規でインストールし直すしかなくなります。 (^^;) >「Windows 8→Windows 8」といったアップグレードは不可 VL (ボリュームライセンス) や Enterprise といった企業等での業務利用を想定したエディションは別として, 通常は Windows 8 と Windows 8 Pro の どちらを適用するかといった話になると思います。 Windows 7 Home Basic や Home Premium なら Windows 8 を選択できますが, Professional や Ultimate の場合は Windows 8 Pro へしかアップグレードできませんので注意してください。
続けて, 右画像のようにライセンス条項が表示されますので, ちゃんと目を通した上で「同意します」のチェックボックスにチェックを入れて「同意する」ボタンを押してください。 重複しているように見えますが, 「同意する」ボタンは そういう名前になっているだけで, 単なる「OK」ボタンです。 (^^;)
ライセンス条項に同意すると, インストールの方法を聞いてきます:
元の環境や適用しようとしているエディションにより, 最大で 3 つの選択肢が表示されます。 それぞれの意味は以下のとおり:
- Windows の設定、個人用ファイル、アプリを引き継ぐ: 「Windows 7 Ultimate→Windows 8 Pro」のようなアップグレード可能な組み合わせと状況の場合に表示される選択肢で, 可能な場合は 1 番上に表示されます。 各アカウントの情報やドキュメント・音楽・ビデオといったアカウント固有のファイルが継承され, 旧環境にインストールされていたソフトについても全て継承されます。 通常耳にする「アップグレード」は この選択肢。 これが表示されないということは, 残念ながら当該環境では Windows 8 へのアップグレードが行えないことを意味します。 ソフトウエアが継承されるのに対して, デバイスドライバーは継承されないので注意。 それに伴うツール類共々ゴミとして残ります。
- 個人用ファイルのみを引き継ぐ: 「Windows Vista Ultimate→Windows 8 Pro」のような完全なアップグレードを行えないケースでは, この項目が一番上に表示されます。 各アカウントの情報やドキュメント・音楽・ビデオといったアカウント固有のファイルのみが継承されます。 旧環境にインストールされていたソフトについては継承されません。 ここで重要なのは「アンインストール情報を含めた各ソフトの情報は一切継承されないのに, ファイルだけは そのまま残る」点です。 要はインストールしてあったソフトのファイルがゴミとして残るわけですね。 しかもシステムに CLSID 等で登録されたファイル辺りは, 通常の方法では削除不能な状態に陥りますので, 「フォルダーごと削除してインストールし直し」なんてことも出来ません。 わりと深刻で困ったちゃんな状況に陥れてくれますので, この方法を選択するのであれば, 予め すべてのソフトをアンインストールしておいたほうが良いかもしれません。
- 何も引き継がない: 読んで字のごとく何も引き継ぎません。 が, ゴミファイルは残ったりしますので, これを選択するなら, パーティションを削除した上でメディアブートによる新規インストールを行ったほうが, 話は早いと思います。
所謂「アップグレード」を行いたいのであれば「Windows の設定、個人用ファイル、アプリを引き継ぐ」一択です。 この項目がなければアップグレードは不可ということなので, 諦めましょう。
インストール方法の選択が終了すると, 「インストールの準備ができたことを確認しています」の画面が表示されます:
左画像の「インストールの準備ができたことを確認しています」の画面ですが, 要は Windows 8 の実行が可能かどうかについて, デバイスドライバーやソフトウエアの互換性チェックを行っているだけです。 何故このような判りづらい表現になったかは不明。 (^^;) 互換性に問題があると右画像の「次の作業が必要です」の画面が表示されます。 ここでは Windows 8 と互換性のない「PowerX PerfectDisk 10」について, アンインストールを求められています。 この「次の作業が必要です」の画面が表示されている間は, Windows 8 のインストールができません。
互換性チェックをパスすると「インストールする準備ができました」の画面が表示され, ようやく Windows 8 のインストールが開始可能となります:
上画像で「インストール」ボタンを押すと「Windows 8 をインストールしています」の画面が表示され, Windows 8 のインストールが始まります:
インストール元が DVD-ROM でインストール先が HDD だったりすると意外と時間が掛かりますので, 辛抱強く待ちましょう。 90% を超えると, 進捗表示の部分が「間もなく PC が再起動されます」に変わります。 …ここからが意外と長いのですけれど。 (笑) ちなみに, この画像の環境では 1 時間以上掛かっています。 メディアが HDD 上の ISO で, インストール先も HDD…しかも事前割当とはいえ VMware の仮想ディスクだったのが敗因でしょうね。 下の記事でネタにした 64GB SSD な Prime Erdes PAD NT1 では 5 分と掛からずに終了しています。 それはともかく, HDD への展開処理が終了すると, 右画像のとおり再起動のために OS がシャットダウンされます。 旧環境は これで見納めです。
再起動後, 今度は Windows 8 が立ち上がります:
まずは右画像のとおり「準備中」の画面が表示され, HDD など基本的且つ重要なデバイスの認識とドライバーのインストールが行われます。 環境によっては ここで一旦シャットダウンと再起動が行われます。
続けて本格的なデバイス認識とドライバーのインストールが行われます:
デバイス認識も環境によっては意外と時間が掛かりますので, 辛抱が必要です。 認識とドライバーのインストールが終了すると, 右画像のとおり「準備中」の表示に切り替わり, Windows 8 のハード的なシステム構築が行われます。 終了すると再起動が行われます。
いよいよ最後の起動です:
ここでは, レジストリー情報やファイルの継承処理が各アカウントについて行われます。 百戦錬磨な環境だと, 右画像の「ユーザー設定を引き継いでいます」表示が とっても長いかもしれません。 (^^;)
ここからは Windows 8 の初期設定を行います:
まずは「パーソナル設定」。 スタート画面の背景色を指定します。 お好みでどうぞ。 背景色や模様は あとで変更できますので, ここで悩む必要はありません。
続けて初期設定の方法を聞いてきます:
「簡単設定を使う」を選択すると, 必要最低限の項目だけ指定を行って, あとはシステムが適当に自動設定を行います。 「自分で設定する」を選択すると, すべての項目の指定が可能です。
「自分で設定する」を選択すると以下の項目を指定することになります:
まずは上段左の画像。 ネットワークへの接続方法…といいますか, ネットワーク共有を行うかどうかを聞いてきます。 通常なら, ルーターを使っているような環境であれば「はい、共有をオンにしデバイスに接続します」を, ホットスポットのような公共のネットワークへの接続や SIM を使う場合には「いいえ、共有をオンにせずデバイスに接続しません」を選択することになります。
次に上段右画像。 Windows Update の処理方法や Internet Explorer でのフィルター処理など, セキュリティーに関係した項目について聞いてきます。 特に問題がなければ, 何も考えず そのまま (すべてオン。) に しておきましょう。
続けて下段左画像。 エクスペリエンス向上プログラムなど, Microsoft に情報を送るかどうかを聞いてきます。 「Microsoft に協力してもいいよ」とか, 開発を行っているなど「自身にとって何らかのメリットが発生する (可能性がある)」とかいった状況であれば, なるべくオンにしてあげましょう。 (笑)
最後に下段右画像。 オンラインでのトラブルシューティングや Internet Explorer での互換性リスト使用の有無等を行います。 ここは お好みで。
いよいよサインイン (ログオン) です:
まずは左画像のとおり, セットアップ時に使っていた管理者アカウントでのサインイン (ログオン) が行われます。 パスワードを入力してサインインしてください。 続けて Microsoft アカウントを使用してサインインを行うかどうか聞いてきますので, そちらでサインインするのであれば登録された ID を使ってサインインしてください。 Microsoft アカウントでサインインした場合は, 共有されている情報に従い自動的に環境設定が行われます。
サインインすると操作説明が表示されます:
この操作説明は, 初めて当該アカウントでサインインした際のみ表示されます。 要はデスクトップアイコンの設定等を行っているわけですね。 Windows 7 でいえば, ログインしてから画面が切り替わってデスクトップが表示されるまでの間と同じです。
続けて, 初回のサインインに伴う諸々の処理が行われます:
上段右画像の「アプリをインストールしています」は, Windows 8 のインストール時や (別の PC 等で) Windows ストアのアプリを購入したあとなど, 「何らかのアプリをインストールする必要がある」場合のみ表示されます。 下段画像の「最後の処理をしています」や「あともう少しです」が表示されてからも, 意外と時間を要したりしますので注意。 (笑)
お疲れ様でした。 左画像が表示されれば Windows 8 のインストールは無事終了です。 ほどなく右画像のスタート画面が表示されることでしょう。
アップグレード直後は こんな感じになっています:
まずは上段左画像。 スタート画面の右端には, 旧環境でスタートメニューのトップに表示されていたソフトや, デスクトップに (ショートカットとして) 置いてあったソフトのアイコンが登録されています。 すべてのアプリを表示させると, 上段右画像のように, 比較的インストールしたソフトが少ない環境であったとしても, 大量にアイコンの並んだカオス状態に陥っていることが判ります。 (^^;)
続いて下段左画像。 Metro ではないソフトはデスクトップ画面で実行されます。 製品版では基本的に透過表示は行われなくなりました。 …が, よく見るとタスクバーが僅かに透けていたりします。 (笑) そして下段右画像。 起動後最初に表示されるサインイン画面の背景について, 初期値は意外と派手なものになっています。 個人的には Windows 8 DP や CP の頃のほうが好きです。 (^^;)
アップグレードの流れは こんな感じです。 Norton Internet Security 2012 が互換性チェックに引っ掛からなかったのは意外でしたが, 当然ながら NIS 2012 のほうが Windows 8 に対応していませんので, ブルースクリーンが発生したり…といった重大な不具合は発生しないものの, 現状では完全には動作しません。 Windows 8 も「セキュリティー対策ソフト」として認識してくれませんので, そちらの警告が表示され続けます。
あ, そうそう。 システム周りを弄って あれこれ環境を変更しまくるわけですから, 再アクティベーションの発生確率は高いです。 この作業を行っている間に, Windows 7 Ultimate (笑) と Microsoft Office 2007 の再アクティベーションが発生しました。 もっとも, PC やデバイスが変わっているわけではありませんので, オンライン認証するだけで済みましたけれど。
Aug.24,2012 追記
再アクティベーションの発生する原因ですが, 恐らくデバイスドライバーが Windows 7 から継承されないからだと思います。 ドライバーが異なることで中には「似て非なるデバイス」として認識されるものも出てきますし, Windows 8 のセキュリティー周りの仕様変更に伴い, 認識方法の変わったものも出ていそうですので。
Sep.4,2012 追記
いつの間にか NIS 2012 が Windows 8 対応となっていました。 ちゃんと「セキュリティ対策ソフト」として認識もされます。
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