Norton Internet Security の SONAR とパンヤ...
一昔前は Norton AntiBot という専用ソフトで行われていた Norton の振る舞い検知機能ですが, Norton Internet Security 2009 以降では SONAR という形で NIS へ含まれるようになり, NIS 2012 には SONAR 4.0 が組み込まれています。 「振る舞い検知」からイメージされるとおり, 実行モジュールが何をやっているかの挙動を追跡し, 怪しい (と NIS が判断した) 動きがあれば, それを阻止した上で検疫を行うわけですが, 「実際にどんな動きをしているか?」をチェックすることから, 未知のソフトやプログラム (実行モジュール。) にも対応が可能で, それが強みとなっています。
この SONAR…。 年を経る毎に Norton Insight への依存度が高くなっています。 Norton Insight とは, Symantec のサーバーに集められた, NIS ユーザーの環境に存在するソフト等の情報を基に作成されたホワイトリスト (といいますか安全度の一覧表。) のことです。 SONAR で検知した挙動と Norton Insight での安全度から, 総合的に危険度を判断するわけですね。 それは良いのですが, 特に NIS 2012 になってからは「報告数の少ないもの」に対する警戒度が異様に高くなっているのです。 どんなソフトやプログラムであっても最初は登録数が 1 桁だったりするわけですが, その 1 桁のタイミングに当たると必ず検疫されてしまう…といった感じに陥ってしまっているのです。
その主な犠牲者となっているのが, ゲームなどプロテクトの掛けられたソフトです。 簡単にプロテクトを回避されたのでは意味がありませんから, あれこれ対策を行っているのですが, その対策が「怪しい挙動」以外の何者でもないので SONAR に引っ掛かってしまうわけです:
上の画像は, コンシューマーからの逆輸入版『WHITE ALBUM』が引っ掛かったところです。 当該ソフトはダウンロード版ということで起動時に認証チェックが行われるわけなのですが, その認証チェック周りの部分が怪しいと判断されたわけですね。 それはともかく, このソフト (ダウンロード版。) が発売されてから随分経つのですが, Norton Insight への登録数が 1 桁だったため, 「怪しい→即黒判定」となって削除されてしまっています。 この手のソフトは一定期間しかダウンロードを行えないので, その後で抹殺されようものなら致命傷ですね。 (^^;)
先週の話なのですが, 毎週行われているパンヤのアップデートを行った ところ, 私の環境でもパンヤが SONAR に引っ掛かって抹殺されてしまいました。 以前から悲鳴が聞こえてはいましたが, ようやく私も世間一般の仲間入りを果たせたようです。 (笑) とにもかくにも, 本体である ProjectG.exe を SONAR 対象から除外することで一件落着です。 …という状況を監視していたのか (無理。 ^^;), 週末に「(NIS で) どこで除外指定すればいいの~?」といったネタが Twitter で登りました。 何やら「ProjectG.exe を除外指定してもアップデートの度に SONAR に引っ掛かってしまう」という質問が公式 Web の掲示板に上がっていて, NIS 使いである私にお鉢が回ってきたようです。 回答内容の裏取り要員ということですね…。
SONAR 以外の項目も弄っているようなので, とりあえず「SONAR 除外指定でのフォルダー指定の方法」「SONAR と その他の項目の関係」といった辺りを画像付きで説明しておいたのですが, せっかくなので こちらで もう少し詳しく書いておきます。
というわけで, まずはメイン画面を表示するわけですが, その前に前提条件があります。 除外指定のような NIS の基本動作にかかわる設定は, 管理者権限をもったアカウントによりログインした上で行う必要があります。 標準ユーザー等だと「管理者として実行」を行っても設定できませんので注意が必要です。 ログインしたあとは方法は何でも良いので, とにかくメイン画面を表示します:
メイン画面が表示されたら「設定」のリンクをクリックして設定画面を呼び出します。 ここは何も難しいところがありません。
設定画面が表示されたら, 上から 2 番目の「Auto-Protect、SONAR、ダウンロードインテリジェンスの検出から除外する項目」の「設定」ボタンをクリックして除外指定画面を呼び出します。
指定画面が表示されたら, 「追加」ボタンをクリックして追加指定画面を呼び出します。 既にパンヤ関係の項目が存在しているのなら, 前もって削除しておきましょう。 重複する部分が存在すると不具合の素となってしまいかねませんので。
追加指定画面が表示されたら, パンヤのインストールされているフォルダー「PangYa_JP」を選択し, 「サブフォルダを含める」を有効にした上で「OK」ボタンをクリックして登録します。 これで, パンヤに関係するものが纏めて除外指定されます。 もし これでダメなら, 「Auto-Protect、SONAR、ダウンロードインテリジェンスの検出から除外する項目」の表示されていた設定画面の「スキャンから除外する項目」でも除外指定を行います。 それでもダメなら, これまでの 2 つでの指定を解除した上で「すべての検出から除外するシグネチャ」で指定を行います。 フォルダーごと指定してダメなようなら, パンヤ以外の何かが原因となっている可能性が高いです。
フォルダーごと指定して不具合が解消された場合は, そのままにせず そこから除外指定する対象の減らす努力を行うようにしましょう。 パンヤでは nProtect が使われていますが, nProtect はチート対策ツールですから, ウイルス対策ソフトと同様それ自身がシステムを含む環境のチェックと追跡を行っています。 NIS での設定が逆に nProtect のチェックに引っ掛かりかねませんので, 対象は少ないに越したことはありません。 基本は「ProjectG.exe のみ」です。
最後に注意点…。 不幸にも引っ掛かってしまった場合に必要となる除外指定の対象は, 各ユーザーで千差万別です。 もちろん, パンヤなら「ProjectG.exe が基本」という大元は存在するわけですが, とあるユーザーが その指定で回避されたからといって自身も その指定で回避できるとは限りません。 僅かな環境の違い…それこそメッセージの飛ぶタイミング一つの違いで検疫に引っ掛かったり引っ掛からなかったりするわけですから。 なので, 一旦回避できた指定で ずっと回避が可能という保証もありません。
私自身は先週初めてパンヤが引っ掛かりましたので, 今週のアップデート後に引っ掛かるかどうかが鍵ですね。 引っ掛かるようなら私自身が実験台という名の人柱となれるのですけれど…。 (笑)
May.24,2012 追記
「今日のアップデート後に nProtect が SONAR に引っ掛かって抹殺された」という話が聞こえていたので, 保険を掛けた上で楽しみにアップデートと起動を行ってみたのですが…引っ掛かりませんでした。 (笑) まあ, nProtect が引っ掛かるのは仕方がないですね。 何しろ GameMon.des が ccsvchst.exe を始めとした Norton Internet Security の各種ファイルに接触して逆ハックを仕掛けているわけですから。 ウイルス対策ソフトを対象外としない nProtect 側に 9 割方非があるのであって, 攻撃と同じ手口で接触されたのでは そりゃ NIS だって自己防衛くらいするでしょう。
|