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<改変公開:May.26,2010 最終更新:Aug.19,2011>

■ VMware Workstation 7.1.4 Build 385536


・VMware Workstation 7.1 について

 VMware Workstation 7 で Windows 7 及び Windows Vista での WDDM 版ドライバーと Aero への対応が行われましたが, OpenGL については, XPDM 版と異なり OpenGL 1.4…といいますか, VMware Workstation 6.5 までと同様の MS 謹製ソフトウェア処理に留まっていました。 今回の VMware Workstation 7.1 では WDDM 版についても XPDM と同じ OpenGL 2.1 までの対応化が行われています。 さらに, 主に WDDM 版で描画速度の向上が図られていて, 体感速度が倍以上となっているソフトも中には存在します。

 今回の本命 (この版での『本命』とは, VMware 7.0 で やり残した宿題の意味が強い。 ^^;) と言えるかもしれないのが, Unity モードで追加された Windows 7 での Windows XP Mode 用アイコンに相当する機能です。 VMware 7.0 で Windows XP Mode からのインポートを行えるようになりましたが, 今回, ようやく Windows XP Mode と同じ感覚でホストからの直接起動が可能となりました

 OVF 1.1 のサポートも地味ながら意外と重要かもしれません。 現状では複数の仮想プラットフォームを自由に行き来することは無理ですが, 将来的に, 同じ仮想マシンを例えば VMware と VirtualBox を都度選択して実行できるようになれば, 非常に便利ですから。

 あとは, 8-way SMP, 2TB までの仮想ディスク…といった辺りが目に付きやすい変更点でしょうか?  自身の使っているノートパソコンごときでは全く体感できませんけれど。(笑)

[Aug.16,2010:追記]

 13 日に VMware 7.1.1 が登場しています。 が, 2・3 のバグ修正が行われているだけで, 新機能としては VMware vSphere 4.1 ゲストへの対応のみに留まっています。

[Sep.29,2010:追記]

 23 日に VMware 7.1.2 が登場していますが, セキュリティアップデートですので基本的に何も変わっていません。

[Feb.4,2011:追記]

 昨年 11 月に VMware 7.1.3 が登場していますが, 基本的に linux で 2.6.34 及び 2.6.32 のカーネルを使用した際のインストール不具合の修正のみとなっています。 これらの環境をお使いの方で VMware 7.1.2 までで不具合に遭遇していた方は, バージョンアップすると改善するかもしれません。

[Apr.7,2011:追記]

 3 月末に VMware 7.1.4 が登場していますが, メンテナンスアップデートということもあってか, 自身の環境では何も変わりませんでした。

[Aug.18,2011:追記]

 ホストが dynabook Qosmio T851/D8CR へ更新されました。 ホスト更新に伴う情報更新は後日行いますが, ホストの x64 化による影響は特に存在しないようです。

・ホスト環境等

 メイン環境である Satellite WXW/78DW で利用しています。 4GB メモリーと 500GB HDD のおかげで逼迫する状況とはなっていないのですが, HDD については近々 640GB のものへ換装する予定でいます。 それに対して, 最近 VRAM 容量に悩まされるようになりました。 と言うのも, VMware Workstation 6 以降を含めて, 256MB という VRAM の少なさが描画方面の不具合を招いているのではないか…という懸念が生じているからです。

もちろん, GeForce 8700M GT であれば, 専用メモリー分を合わせて 1.5GB に達するまでは必要分をメインメモリーから調達してくるわけですが, 専用メモリーの容量が重要らしく, ログの そこかしこに『メモリーが足りない』の文字が…。 ただ, 後述するように WDDM 版ドライバー使用時については, 32MB のみではありますが AGP メモリーに対応していますので, 多少なりとも状況が軽減されるようです。

 VMware 6.0 以降をインストールする際に少々問題となっていたリムーバブルデバイス等の自動再生機能無効化ですが, VMware Workstation 7 以降ではアンインストール時に ちゃんと設定を元に戻しているようです。 VMware Workstation 6.5 等でも, 最新の版では改善されているのかもしれません。

 VMware Workstation 7.1 では VMware 自身の自動アップデート機能が追加されています。 が, 現状では この機能は使い物にならないと言わざるを得ません。 と言うのも, かなりの高確率で旧版 (要は その時点で使っている版。) のアンインストールに失敗してしまい, インストールもアンインストールも出来ない状況に陥るからです。 不幸にも陥った場合は, 焦らず旧版のインストーラーを直接実行する方法で修復セットアップしてから手動でアンインストールしましょう。

気を付けなければいけないのは, この自動アップデート機能を使用した場合にはインストーラーを (通常の方法では) 得られない点です。 そうやって更新した版から新たな版へ自動アップデートしようとした際に問題が発生しようものなら, 最近増えている お手軽ユーザーには もはや修復の手段が無いことでしょう。 OS の機能を使う手は あるでしょうけれど, その場合はゲストも無事では済みません。

[Jun.6,2010:追記]

 いつの間にか相性問題が発生するようになったようで, VirtualBox 3.x をインストールすると, VMware Authorization Service が自動起動しなくなります。 一旦この状況に陥ると, 再起動するなどの手段は無効で VMware を再インストールしないと復旧できないようです。 再インストールすれば済む問題ではありますが, NIC が変わることにより再アクティベーションが発生し, あまつさえ累積加点で使用不可能となるソフトが出たりしますので, 注意が必要となります。 (昨日, それで Corel PaintShop Photo Pro X2 が死亡しました。 月曜まで待って電話するのが面倒でしたので, これを機会と X3 に買い換えました。 (笑))

[Aug.18,2011:追記]

 ホストが dynabook Qosmio T851/D8CR へ更新されました。 x64 化に伴う 8GB メモリーの恩恵は絶大で, 他の PC エミュレーター上を含む複数ゲストの並行動作も苦でなくなりました。 また, VRAM 容量 1GB の GeForce GT 540M では, 旧ホストで発生していた描画方面の不具合が発生しなくなりました。

・ゲスト PC 環境

 VMware Workstation 6.5 以降では Ver 7 となっていて, 一部の PCI デバイス (VMware 本体のメニューで有効・無効が指定可能なもの。) のゲスト PC 側でのホットプラグ対応や VMCI 周りの改良等が (6.5 で) 行われています。 新機能を含めた若干の制限が伴うものの Ver 4 以降のゲスト PC が扱える点も同じです。

 VMware 6.5 の頃に作成した Windows 7 環境の構成を上げておきます。 ホットプラグ対応に絡んで, レイヤー相当の役目を担う大量の『PCI Express 標準のルート ポート』が作成されています。 VMware Pointing Device の他に HID 準拠マウスが 2 つ USB 配下に存在しますが, ホットプラグ対象ではないものの, ホストの USB ワイヤレスマウスとタッチパッドがゲスト PC 側で認識されているためです:

[デバイスリスト]

Windows 7 である点が影響しているのだと思いますが, マニュアルに記載されているゲスト PC の仕様と異なっている部分が存在します。 目に付くのはサウンドと NIC で, それぞれ VMware VMaudio (VMAUDIO) と Intel PRO/1000 MT Network Connection として認識・動作しています。 この内 VMAUDIO については VMware Tools が影響しているのでしょう。

 他ゲストやホストとのドラッグ&ドロップ方面についてはホスト環境にも大きく影響されるようで, 機能したり機能しなかったりと不安定な印象を受けます。 ただ, VMware Workstation 7 よりはマシになっている気がします。 また, .vmx での非 ANSI 文字方面の不具合については, VMware 6.5 の時に Ver 7 へ上げてしまっているので, 改善されているのかどうかは判りません。

 新たな機能として目に付くものとしては, 8 つまでの論理 CPU に対応している点があります。 VMware 6.5 までは単独の物理 CPU から 1 ないし 2 のスレッドを獲得していましたが, VMware 7.0 以降では, シングルコア CPU が 8 つ, デュアルコアが 4 つ, クアッドコアが 2 つ…, といった組み合わせにかかわらず全 CPU からのスレッド獲得が行われます。 (ただし, VMware 7.0 では 4 つまで。)  ある程度の環境が整えられている場合には それなりの向上が見込めるでしょう。 Core 2 Duo なノートパソコン辺りでは効果は小さいのですが, それでも 2 CPU 設定とした場合の動作が以前よりも軽くなっている印象を受けます。

[Jun.6,2010:部分変更]

 個人的な使用では必要ないことから試してはいませんが, ゲスト PC の 256 ビット AES による暗号化辺りも業務で使用する場合には意味があるでしょう。 ポーズ機能もゲストを止めながら作業するのには便利かもしれません。 個人的には, 暗転しないようになるとスクリーンショットの撮影にも使えて有り難いです。

・ゲスト OS

 Ubuntu 10.04 や OpenSUSE 11.2 等についてホスト・ゲスト共々対応するようになっています。 それ以外に大きな目玉は存在しないような気がします。 VMware Workstation 6.5 以降と同様, x64 には VT が必要ですが x86 ゲストや VMware 本体の動作には VT を必要としません。 Windows XP や Office 等の再アクティベーションについては, 手元の環境においては VMware 6.5 以降発生していませんが, 累積加点というケースは存在しますので, その辺りは認識しておく必要があります。

 Windows 95 など古い OS については, VMware 6.5 の段階でゲスト PC を Ver 7 へ更新, 若しくは作成した場合に正常起動しなくなるケースがありましたので, 今回初めて Ver 7 への更新・新規インストールを行う場合は注意が必要かもしれません。 その辺りを除けば, VMware Workstation 5.5.3NT 3.51 が使えなくなった点を除いて, VMware 2.x の頃からの環境が引き続き使えています。 (もちろん, ゲストの版は上げています。)

[Jun.6,2010:追記]

 Windows Me を含む Win98 系については, 新規でもアップグレードでも Ver 7 (VMware 6.5~7.x 用。) のゲストマシン設定だとハングすることがある (出るゲストは毎回出る…のパターン。) ようですので, Ver 6 までに止めておいたほうが良いかもしれません。

[Aug.16,2010:追記]

 VMware Workstation 7.1.1 で VMware vSphere 4.1 ゲストに対応していますが, 個人のコンシューマー用途で関係してくることは…少ないでしょうね。

・描画周り

[Windows 7 on VMware 7.0 RC

 Windows 7 及び Windows Vista での WDDM 版ドライバーと Aero への対応化が VMware Workstation 7 で行われましたが, VMware Workstation 7.1 では WDDM 版について高速化が図られ, 宿題となっていた OpenGL 2.1 対応化も行われています。 さらに, 32MB のみではありますが何気に AGP メモリーへも対応していたりと比較的広範に手が入っていることから, ドライバーが VMware SVGA 3D 7.14.1.42 へ大きく更新されています。

高速である点が前提となっている WDDM 版の動作を OpenGL 2.1 でエミュレートした上でホストに描かせている関係上, Aero を有効とした場合の動作が重くなるのは ある程度仕方がないのですが, VMware 7.1 での高速化が効いているのか VMware 7.0 と異なり殆ど気になりません。 従って, ウインドウ等の描画速度を稼ぐために XPDM 版を使用する…と言ったような手段を講じる必要性は無いと思われます。 むしろ, XPDM 版使用によるデメリットのほうが大きいでしょう。

一方, XPDM 版については あまり手が入っておらず VMware SVGA II 11.6.0.35 に留まっています。 そろそろ XPDM 版について更新が終了するのかもしれませんね。 ただ, WDDM 版を使っていたとしても Aero をオフにした場合は XPDM 版と同じ処理となりますから, VMware 7.5 以降で WDDM 版とレベルを合わせてくる可能性もあります。

 描画関係の不具合については, XPDM 版における DST 方面の不具合が相変わらず残っています。 ドライバーは VMware Workstation 6 の頃から DST に対応したものとなっていますが, 正常に描画されない場合が殆どであることから, 当該機能の有効・無効を指定できる場合は無効としておくのが得策です:

[3DMark05 GT1 on VMware 7.0 RC (DST on)] [3DMark05 GT1 on VMware 7.0 RC (DST off)]
[3DMark06 GT1 on VMware 7.0 RC (HSM on)] [3DMark06 GT1 on VMware 7.0β2 (HSM off)]

上段が 3DMark05 GT1, 下段が 3DMark06 GT1 で, それぞれ左側が DST オン, 右側がオフです。 (3DMark06 では HSM。)  見てのとおり, 初期値であるオン状態では ある程度より暗い部分が一律黒抜き状態へ収束してしまっていて, SM 2.0 を使用している 3DMark05 が より顕著となっています。

さらに, WDDM 版においては新たな不具合も発生しています。 多くのソフトでは何ら問題ないのですが, 『タイムリープぶーとべんち』 『Street Fighter IV ベンチ』といった一部のソフトや OpenGL 対応ソフトについては, 描画が異常に遅くなり それに引きずられて音声や入力も途切れ途切れになってしまいます。 恐らく AGP メモリーへの対応辺りが影響していそうですが, ソフト側で指定できる場合は T&L HAL から HAL へ設定を引き下げると不具合が解消されます。 指定できない場合は互換性設定で Aero を切りましょう。 本来の速度には至らないかもしれませんが, それでも VMware 7.0 と同じくらいには動作します。

そうそう。 いくら OpenGL に対応しているからといって, SPECviewperf Ver 9, 10 のような本格的なベンチは正常動作しません。 描画が破綻していますし途中でハングします。

 ホスト側の要件については VMware 6.0 以降で共通となっていて, OpenGL 2.x へのハードウェアレベルでの対応が必須となっています。 その中でも最重要事項で最大の壁ともなっているのがフレームバッファーへの対応で, 昨今の GPU であれば全く問題とならないわけですが, 二昔前辺りの GPU では この点が意外と高いハードルとなってしまいます。 さすがに, 今では これが問題となることは殆ど無いことでしょう。 もちろん, それ相応の古い PC を使えば話は別ですけれど…。

[Jun.6,2010:部分改変]

さらに, Aero を使用する場合については推奨環境の引き上げが VMware 7.0 の段階で行われていて, VMware 7.1 では さらに引き上げが行われ NVIDIA で言えば GeForce 8800GT (256MB-VRAM) が最低ラインとなりました。 (ちなみにホスト 3GB, ゲスト 1GB のメモリーも必要。)  こちらのほうは, オンボード GPU 辺りだとスペック的に苦しいかもしれません。 上で書いた VMware 7.1 で新たに発生した不具合は, ホストの GPU が GeForce 8700M GT だからなのでしょう。

 なお, VMware 7.1 では WDDM 版ドライバーを使用した場合の VRAM 容量が 256MB + AGP メモリー 32MB となっています (XPDM 版では 128MB。) ので, ホスト側の環境によっては WDDM 版ドライバーや Direct3D の使用が出来ないかもしれません。 手元の Satellite WXW/78DW (256MB VRAM) では何とか動作しているわけですが, 個人的には VMware Workstation 6.5 以降については, ホスト側の VRAM 容量として最低でも 512MB, 普通に使いたいなら 1GB を前提としているような気がします。 (Direct3D を使用する場合。)

Direct3D を無効とした場合 (WDDM 版では無条件に有効。) は 16MB となりますが, 画面サイズを UXGA 以上とする場合は 32MB が必要となりますので, その場合は手動で設定を行う必要があります。 呪文は以下のとおり:

svga.vramSize="33554432"

ちなみに, この呪文は Direct3D を無効とした場合しか効きません。 Direct3D が有効の場合は, メモリーの調達は行われるものの既定の VRAM 容量しか有効となりません。

 WDDM 版での高速化が行われた VMware 7.1 ですが, 体感的にもベンチマーク等のスコア的にもホスト (GeForce 8700M GT (256MB)) の半分程度となっています。 XPDM 版については VMware 7.0 と同じ GeForce Go 7600 (256MB) 相当となっています。 XPDM 版ドライバーでの黒抜き現象や Unity モードでの不具合が解消されれば, 個人的には もう十分なのですが, まぁ, 速いに越したことはないでしょう。

今回行われた高速化や AGP メモリーへの対応は, 恐らく VMware Workstation 8 辺りでの SM 4.0 対応化 (要は 7.15 台の真っ当な WDDM 版ドライバー。) への布石なのでしょうね。

[Apr.7,2011:追記]

 『タイムリープぶーとべんち』等での描画遅延とサウンド破綻の不具合ですが, VMware 7.1.4 でも変わっていません。 比較的一般的な設定と言える Aero のオフ (コンポジションの無効化。) 設定で回避できることから, とりあえず対応は VMware 7.5 等, メジャー若しくは準メジャーアップデートまで持ち越しのようです。

[Aug.18,2011:追記]

 上述の不具合は新ホストの dynabook Qosmio T851/D8CR では発生しなくなりました。 VRAM 容量 1GB 化の おかげなのか GeForce GT 540M と GeForce 8700M GT との能力差のおかげなのかは判りません。 もしかしたら「GeForce 8800 GT 以上」というシステム要件が そのまま当てはまっているだけなのかもしれませんね。

[Aug.19,2011:追記]

 ホスト更新で発生した最大の問題は OpenGL です。 今回, こと VMware に限っていえば OpenGL 対応ソフトが軒並み動作しなくなりました。 当該ソフトが落ちるのは可愛いほうで, むしろ VMware 本体の落ちてしまうことのほうが多いです。 (^^;)

・サウンド

 上のほうで書いたように, VMware Tools 導入により VMware VMaudio (VMAUDIO) として認識・動作しますが, ハードが ES1371 から変わっているわけではありません。 内部動作を含めたドライバー段階が関係しているだけなのでしょう。 MS-DOS の頃と違ってソフトウェア側へは殆ど影響しないでしょうから, どう認識していようが動作してくれれば問題ない…と言えそうです。

 細かいことはともかく, VMware Workstation 7 以降で重要な点は VMware Workstation 6 で使用できなくなっていた強制 SB16 化の呪文の復活です。 VMware Workstation 6.5 では Windows 98 環境のみでしたが, VMware 7.0 以降では再び全ての環境で使えるようになりました。 呪文は以下のとおり:

sound.virtualDev="sb16"

全ての環境で使えるわけですが, ES1371 へ正式に対応している Windows Me や Windows 2000 以降の OS については, SB16 に依存したソフトでも存在していない限り, そのまま ES1371 設定としておけば良いでしょう。 ちなみに, 『全ての環境』とは言っても Windows 7 や Windows Vista 等では使えません, 念のため。 (ドライバーが存在しない…といった以前にハードを認識しません。)

・ネットワーク

[仮想 NIC 設定ダイアログ]

 一部の 32 ビット OS では Intel PRO/1000 MT Network Connection として認識されます。 VMware Workstation 6 の頃で既に 1.0G の NIC (VMware Accelerated AMD PCNet Adapter。) となっていたわけですが, 現状の環境では 1.0G だろうが 100M だろうが体感速度が変わりませんので, 何がどう変わったのか判りません。

 仮想ネットワークの設定ツールについては, VMware Workstation 7 で画面構成が大きく変更されています。 タブによる切り替えが却って混乱を招いていた これまでのダイアログと異なり, 単一ページに全ての項目が纏められた非常にすっきりしたものとなっています。 「以前のダイアログのほうが良かった」と感じる方も いらっしゃると思いますが, 『ある設定が どのタブに存在するのか解り辛い』 『関連する設定が別のタブに散らばっている』といった辺りが不評だったのでしょう。

・HDD

 ゲスト PC が Ver 7 のまま変わっていないことから, HDD 方面についても変化はありません。 なので, 気軽にゲスト PC のバージョン変更が行えます。 VMware Workstation 6.5β で発生していたVMware と CD 革命 Virtual の相性問題についても, その後発生していないところを見ると一過性のものだったようです。

 スナップショット等の仕様については変更ありませんが, ユーザーが指定したスケジュールでスナップショットを自動的に作成する AutoProtect の機能が VMware Workstation 7 で追加されています。

・EMM386

 VMware Workstation 6.5 以降, MS-DOS (+ Windows 3.1) 環境を除いて使用できなくなっていた EMM386 ですが, VMware Workstation 7.1 で再び使えるようになりました。 コンベンショナル方面のメモリー構成が VMware Workstation 4 の頃と変わっていないのか, 同じ結果を得られていますので VMware Workstation 4.5 での設定等を載せておきます。

 UMA の状況は以下のとおり:

[VM4.0 の UMASCAN]
[VM4.0 の VMAP]

使うことのないモノクロ表示用の B000-B7FF を有効にしています。 DC00-DFFF, E400-E7FF の RAM は拡張ボードの領域なので使えません。

 CONFIG.SYS の内容は次のとおり:

[VM4.0 の CONFIG.SYS]

FILES が 8 のままですが, これは addfiles というツールを使って UMB に 32 確保しているからです。 後継の OS では最初から UMB での確保が可能ですが, 純粋な DOS では不可能なので。 あと, 東芝版 の EMM386.EXE を使用している (OS が東芝版 MS-DOS 6.2/V。) 関係上 MS 版とはオプション等が異なっています。 EMS のサイズが 6144KB に制限されているのは, BC++ や OPTASM 等へプロテクトメモリーを回す必要があった頃の名残です。

・VMware のインターフェイス

 VMware Workstation 7 で Windows XP Mode からのインポートを行えるようになりましたが, これに伴って, VMware Workstation 7.1 では Unity ゲストのソフトをホスト上から直接起動するダイレクトアイコン (Direct Launch) 機能が追加されています。 右画像をクリックすると表示されるフルサイズ画像を見ると判りやすいと思いますが, 『Unity ゲストのソフトを直接起動するショートカットアイコン』をホスト上に作成する機能です。

さすがに, 専用品である Windows XP Mode のようにエレガントには いきませんが, 「一旦ホストのデスクトップ上にアイコンが作成されれば あとは自由に移動が可能」 「ゲスト上のスタートメニューにアイコンが存在しさえすれば そこから作成が可能」, …といった辺りは Windows XP Mode より融通が利いています。

Unity モード自体は VMware Workstation 6.5 の頃から変わりがなく, ホストのスタートボタンにポインターを近づけるとゲスト側のスタートメニューが表示される, 通常の場合に比べて描画速度が相当落ち込んでしまう…といった仕様や現象は同じ感じとなっています。 ただ, VMware 7.0 のように操作不能 (と言っても過言でないレベルのデッドロックが発生する。) に陥ることは無いようです。 ちなみに, Unity モードというのは, 右上画像を見ると何となく感じがつかめるかと思いますが, 要はゲスト側 OS のメニューや動作プログラムを直接ホスト側にシームレスで表示することで, ゲスト PC の存在を感じさせないようにする機能です。

[スナップショット]

 VMware Workstation 5 で大きく変更されたスナップショットの仕様変更ですが, VMware Workstation 5.5 以降では基本的に変わりがありません。 が, VMware 7.0 で AutoProtect に関するコントロールが追加されています。

VMware 5.0 以降のスナップショットでは, 1 つのゲスト PC について複数のスナップショットが保存でき, 世代管理や分岐が行えるようになっています。 世代管理を利用して新環境のテストを行ったり, 分岐等を行って一部のみ異なった環境での様々なテストを行ったり…といった用途に威力を発揮します。 内部的にはスナップショットの一種ではありますが, 『ある時点より遡れないようにしたい』といった場合には, クローン機能のリンクを使用したほうが良いかもしれません。

・VMware Player

[VMware Player 3.0β]

 VMware Player 用の環境を作成する際のテスト等を行いやすくすることを目的として VMware Workstation 5.5 からバンドルされるようになった VMware Player ですが, VMware Workstation 7.1 では VMware Player 3.1.0 Build 261024 がバンドルされています。

VMware 7.1 と VMware Player とは, ユーザーとのインターフェイスを司るフロントエンド部分が異なるだけで, 仮想 PC の実体部分については同じものが使われています。 なので, VMware Workstation で可能なものは VMware Player でも可能となっていて, 右画像のように 3DMark06 が正常に動作しますし Aero も選択できます。 もちろん, VMware 7.1 で行われている描画速度向上の恩恵に浴することも可能です。

VMware Workstation との差別化は, フロントエンド側での機能実装, 有効無効化という方法で行われています。 一番分かり易いのがスナップショット機能で, フロントエンド側への実装が行われていない, 若しくは無効化が行われている VMware Player では, 単純にスナップショット作成・更新に関する設定が無視されるようになっています。

[VMware Player 3.0β の起動画面]

 VMware Player において目玉と言えそうなのは, VMware Workstation 7 (VMware Player 3.0。) で行われたフロントエンドの仕様変更でしょう。 コモンダイアログによるゲスト PC の選択しか行えなかった VMware Player 2.5 までとは異なり, 起動画面が表示されるようになり, ゲスト PC の新規作成や VMware Workstation と同じ設定画面 (ただし設定項目数は少ない。) を呼び出してのゲスト PC の環境設定を行えるようになっています。

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