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VMware Workstation 6.0.5 Build 109488・ホスト環境等2008 年初頭からメインに就任した Satellite WXW/78DW が基本となりますが, サブとして引き続き DynaBook G7/X19PDEW が使われます。 NT 3.51 や TLW 7.0 等のテストが必要な場合は DynaBook G5/X14PME 辺りが登場します。 テスト段階が終了したことから, Satellite TXW/69AW は (VMware 使用 PC としては) 退役しました。 Windows Vista 環境のテストを行う前は, ホストの HDD の遅さに辟易していたのですが, 今ではメモリー環境のほうが深刻になってしまいました。 1GB-RAM の DynaBook G7 ではゲスト PC を 1 つ立ち上げるだけで精一杯ですね。 そういった意味では, ホスト自体が Vista である Satellite WXW/78DW (2GB-RAM) も同様で, いずれ 4GB への増設を行う必要がありそうです。 もっとも, 使い回せるのは 3GB 超ですけれど…。 あ, もちろん, HDD の速さが必要となる点については変わりがありません, 念のため。(^^;) それでも G7 に比べると随分マシになっています。 ・ゲスト PC 環境VMware Workstation 6 では Ver 6 に更新されていますが, VMware 5.x のネイティブである Ver 4 のゲスト PC も基本的に制限なく扱えます。 もちろん, VMware 6.x 固有の機能は使えなくなりますが…。 Ver 6 と Ver 4 の違いは, USB 2.0 対応に伴う PCI-PCI ブリッジ周りの変更, マルチディスプレー対応といった辺りが主なものとなっていて, ゲスト PC 自体は基本的に同じものとなっています。 仮想 HDD の更新は伴いませんし, Windows XP 辺りで再アクティベーションを求められることもありません。 なので, Ver 4 からの更新は気軽に行えます。 何か問題があればリバート機能を使って戻るだけで済みます。 言ってしまえば, 設定ファイルの記述変更だけということですね。 マルチディスプレー対応の影響なのかは判りませんが, なにげに便利だったのは『最大 (フルスクリーン) 化を行った際に, ホストのディスプレー環境がゲストに継承される』というものでした。 Satellite のような 1680x1050 という変則的な画面をもったホストの場合は, 特に威力を発揮します。 Ver 4 の設定では, 例えば XGA なら XGA のままなので, なにがしか関係しているのは間違いなさそうです。 もちろん, 手動で設定変更を行えば Ver 4 のゲスト PC でも可能ですけれど…。 そうそう。 上で書いた PCI-PCI ブリッジですが, これを経由するようになったのは USB コントローラーだけではなく, Audio PCI (ES1371) や AMD PCNet Adapter といった辺りも該当しています。 わざわざ経由させているくらいですから, 高速化や安定化が図られているのでしょう。 ただ, NIC の接続先が変更されていることから, この辺りが影響してアクティベーションに引っかかるかもしれません。 TXW/69AW でのテスト段階の頃に ACPI として構築された Windows XP Pro (x86) の構成を上げておきます。 マルチプロセッサーのくせに CPU が 1 つなのは, たまたま 1 CPU 設定としていた際に, この画像を撮ったからです: ・ゲスト OSVMware Workstation 6 での最大の変更点は Vista と x64 ゲストへの正式対応でしょう。 ゲストの Vista x86 辺りであれば VMware 5.x でも行えたわけですが, ようやく『普通に買った PC で普通に使える』環境が整ったと言えそうです。 ただ, 『x64 には VT が必要』といった辺りには少々注意が必要で, x64 を扱いたい場合は VMware と自分の PC, 双方の仕様確認が必要となります。 『資金を投入してから使えないことが解った』のでは, 目も当てられませんから。 新たな環境への対応を行っている一方, 古い環境も引き続き使えるようになっています。 VMware Workstation 5.5.3 で NT 3.51 が使えなくなった点を除いて, VMware 2.x の頃からの環境が未だに使えています。 ただ, いきなり Ver 6 のゲスト PC で新規インストールを行った場合は使えない…といったものが存在するかもしれません。 一部の機能が VMware Tools に依存している点は従来どおりですが, (VMware Tools の) 新規インストールではなく, 旧版からのアップグレードを行う際には注意が必要です。 というのも, 英語環境では何の問題もありませんが, 日本語環境 (というよりも, シングルバイト以外。) では, 旧版の認識に失敗してしまうのです。 VMware 6.0 では VMware Tools の自動更新がウリの一つとなっているのですが, 当然ながら, こちらも失敗します。(笑) 5.x までの環境で導入された VMware Tools を更新する際には, 必ず手動でアンインストールを行ってから新版をインストールするようにしましょう。 6.x 同士のアップグレードについては特に問題なく行えるようです。 ・描画周り[Jul.27,2009:部分改変]VMware 5.x とメジャーバージョンが同じ 11.5.1.0 のドライバーが使われていますので, 全体の構成としては基本的に変わっていないことになります。 が, 仮想 PC 段階では微妙に向上が図られているのか, VESA VBE の適用される OS が増えているようです。 少なくとも, 今回 VMware 6.x 上で新規インストールを行った Windows Vista, Windows XP Pro, Turbo linux 10 Desktop, といった辺りでは VESA-VBE で SXGA 表示くらいまでは可能でした。 変化のなかった 2D に対して, 今回大きく変更されたのが 3D 方面です。 以前から試験的に Direct3D への対応化が行われてきた VMware ですが, その点は VMware Workstation 6 でも変わりがなく, どちらかと言えば非公開に近いもので まだまだ発展途上にあります。 とは言うものの, DirectX 9.0c が出てから数年が経ち, また, それをハードウェア段階で要求する Vista といった OS までもが登場してきたことから, タイムリミットが近いのも事実です。 VMware 6.0 では, こと 3D に関しては OpenGL 2.x をハードウェアで要求するものとなりました。 また, 設定上でもハードを使用するようになっていないとダメで, それらがクリアーされていない場合は仮想 PC の起動時に門前払いを食ってしまいます。 (3D 機能が強制的にオフとなる。) 従って, たとえ VMware 5.x までで動作していたソフトを使う場合でも, VMware 6.0 では, ホスト側の条件がクリアーされていない限り 3D 機能を使用することが出来ません。 『とりあえず使える機能を使って やりくりしてみる』といった方針の VMware 5.x とは大きく異なり, この点が意外と高いハードルとなってしまっています。 『早めに切り替えを行って, その後ゆっくり本格対応を…』という方針なのでしょう。 一方, 大きな仕様変更を行っただけあって, 3D 機能への対応は VMware 5.x と比べて大きく向上しています。 例えば, 上画像の 3DMark2001 SE ですが, VMware 5.x では, 仮想 PC 自体が落ちてしまったりと, デモすら全く動作しなかったものが, VMware 6.x では, デモどころか, テスト自体についても正常に動作するようになっています。 もっとも, シェーダー関係が未実装ですし, Dragothic でドラゴンの角が白抜きになる, DOT3 Bump Mapping の描画が少々おかしい, など, 一見動作していても完璧でない部分が残っていることから, 『意味無し』と捉える方もあるかと思いますが…。 参考までに, ゲストの Windows XP 環境上で計測したスコアを置いておきます。 解像度を強制的に XGA (1024x768x32) としてある以外は, 初期設定のままです。 あと, ホストのほうは Core 2 Duo T7500, 2GB-RAM, NVIDIA GeForce 8700M GT (256MB-VRAM) といった感じです。 (3DMark2001_Score_WXW.txt) 3DMark2001 SE 辺りは正常動作するようになった今回の 3D 機能ですが, ソフト側の実装にも大きく影響されるようです。 3DMark2000 では, 上画像のように最後まで進むこともありますが, 大抵は時限爆弾的に仮想 PC ごとお亡くなりになりますし, 描画もボロボロです。(笑) ただ, "XP" である点が影響している可能性もありますので, 時間があったら Windows 2000 や Win9x 系で試してみようと思っています…おそらくダメでしょうけれど。 能力については, 機能によっては表示が追いつかず紙芝居的になってしまうものもあります。 が, 仕事はちゃんと行っていますので, スコアは真っ当な値だったりします。 それはともかく, 上の (デモの) Nature 辺りでは, チョウチョの数が DynaBook G7 (GeForce 460 Go) よりも多く, そろそろ G7 レベルの仕事はゲスト PC で終わらせることが可能となりそうな気配です。(^^;; [Oct.7,2009:追記]安定度は ともかくとして, 対応している Direct3D の機能としては GeForce4 MX 相当といった感じがします。 ただ, 将来の実装予定機能を前提として内部処理の実装されている部分が あるのか, 本来であれば正常描画されそうなところが正常描画されない…といった現象が見られます。 (上述の Dragothic や DOT3 Bump Mapping など。) 上のほうでホスト要件として OpenGL 2.x への対応を上げましたが, その中でも最重要事項で最大の壁ともなっているのはフレームバッファーへの対応です。 昨今の GPU であれば全く問題とならないわけですが, 一昔 (二昔?) 前の GPU では この点が意外と高いハードルとなってしまいます。 もちろん NVIDIA で言えば GeForce FX くらいになれば対応しているわけですが, ForceWare Release 75 以降のドライバーでないと OpenGL の当該機能である GL_EXT_framebuffer_object には対応していません。 そして当時の PC に適用されている Windows XP 等のドライバーは 5x や 6x 系であることが意外と多いのでした。 [Jul.27,2009:追記]フレームバッファーへの対応に伴い, VRAM の初期値が 128MB へと増加しています。 (従来は 16MB。) 確認できていませんが, Direct3D を使う場合に限ってはホスト側の要件も 128MB へ増えているかもしれません。 ただ, メインメモリーから調達が可能となっている場合は専用 VRAM が 128MB 未満でも大丈夫のようです。 例えば, dynabook SS LX/290DK に搭載されている NVIDIA GeForce Go 6200TE の専用 VRAM は 64MB ですが, 調達を行うタイプの GPU であることから, VMware 6.0 ゲストでの Direct3D 有効化が可能となっています。 ・サウンドこれまで有効だった強制 SB16 モードの呪文は, Satellite WXW では無効となってしまいました。 ポートを叩いて直接コマンドを送っていることから, ホストのサウンドチップ (+ ドライバー) が SB16 互換でないと SB16 モードは使えないようです。 従って, Windows 98 や NT 4.0 では ES1371 用のドライバーが別途必要となりますし, MS-DOS 環境等では基本的にサウンドが使えないことになります。 ボリュームについても DynaBook G7 では『ホストの現在値がゲストの最大ボリューム』だったものが, Satellite WXW では基本的に『ホストの最大ボリューム=ゲストの最大ボリューム』と変わっていることから, ホストのドライバーに影響されるようです。 さすがに WXW ではホスト側の負荷が影響することはありませんでした。 少なくとも ES1371 へ移行しているのであれば, 気にする必要のないデバイスとなった…と言えそうです。 ES1371 系へ移行した場合に問題となるのは MIDI デバイスです。 SB16 ではホストへ処理を投げていましたが, こちらはドライバー自体が専用のソフトウェア MIDI を使う仕様となっています。 そして, この MIDI デバイスでは再生が ぶつ切れになってしまうのでした。 とても使えた代物ではありません。 昨今では見かけなくなった MIDI ですが, このドライバーを必要とする Windows 98 の頃では普通に使われていたものです。 結論としては, 何らかの仮想 MIDI ソフトを導入するのが得策でしょう。 WinXP 辺りでも導入しておいたほうが良いかもしれません。 MS のソフトウェア MIDI は現状の Vista を含めて『鳴れば良い』といった程度の代物ですから。 ・ネットワーク[Jul.27,2009:改変]VMware Tools で適用されるネットアダプターについては, ホスト (関連づけられる NIC) が 1000 Base-TXE に対応している場合は, これまでの 100 Base-TX の AMD PCNET Family PCI Ethernet Adapter に変わり 1000 Base-TXE の VMware Accelerated AMD PCNet Adapter が適用されます。 仕様的には大きく変更されているわけですが, 個人的にはサウンド同様もはやネタとなるデバイスではなくなってしまいました。 設定等の操作体系が変わっているわけではありませんし, 802.11g なワイヤレス環境では違いが表面化することは皆無です。(笑) ・HDD上のほうで書いたように, ゲスト PC が Ver 6 へ改版されているものの, HDD 方面については変わっていません。 が, 動作は若干速くなっているような気がします。 ・VMware のインターフェイスVMware 5.x よりも, さらに画面領域食いとなりました。 もはや SXGA+ 以上の環境しか考えていないのではないかと思います。 少なくとも XGA や WXGA 環境などは考慮されていないと断言できます。 『開発やゲスト PC の作成は広大な画面を使用し, 実際の動作はフルスクリーンで行え』ということなのでしょう。(笑) 私にとっては意味のありそうなデバッガー機能ですが…, まだ使っていません。 その内必要になってくるであろう機能ではありますので, 機器を使える機会があったら試してみましょう…。 記録/再生機能も現象再現等には使えそうではあります。 ただ, ちゃんと再生されるのか…という気はしますけれど。 VMware Workstation 6 では, Ver 4~Ver 6 の各ゲスト PC 間のコンバートが可能となっています。 個人的には Ver 6 化で問題が発生しませんでしたので, 今のところは無用の長物となっていますが, コンバートが行えるのは便利だと思います。 [Jul.27,2009:追加]VMware Workstation 5 で大きく変更されたスナップショットの仕様変更ですが, VMware 6.0 での変更点は特になく VMware Workstation 5.5 と同じになっています。 もう少し感覚的に『どの時点か?』が判るようにしてほしいところなのですが, 単に慣れの問題なのかもしれません。 VMware 5.0 以降のスナップショットでは, 1 つのゲスト PC について複数のスナップショットが保存でき, 世代管理や分岐が行えるようになっています。 世代管理を利用して新環境のテストを行ったり, 分岐等を行って一部のみ異なった環境での様々なテストを行ったり…といった用途に威力を発揮します。 内部的にはスナップショットの一種ではありますが, 『ある時点より遡れないようにしたい』といった場合には, クローン機能のリンクを使用したほうが良いかもしれません。 ・VMware Player[Jul.27,2009:追加]VMware Player 環境作成時のテスト等を行いやすくすることを目的として VMware Workstation 5.5 からバンドルされている VMware Player ですが, VMware Workstation 6 では VMware Player 2.0.5 Build 109488 がバンドルされています。 VMware 6.0 と VMware Player 2.0.5 とは, ユーザーとのインターフェイスを司るフロントエンド部分が異なるだけで, 仮想 PC の実体部分については同じものが使われています。 なので, 右上画像のように Player 側で仮想 PC を起動すれば, その状態が Workstation 側の表示にも反映されます。 (見づらいですが, 一覧に 2 つのゲストが載っています。) このページでは以下の各社製品の画像素材を利用しています。 これらの素材は各社に帰属するものであり, 他への転載は禁止します。
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