下の記事でも書いているように, 昨年クリスマス頃の ASUS ZenFone Max (M1) を皮切りに, 2 月中下旬のわずか 11 日間に ASUS ZenFone 5Q, ASUS ZenFone 5, そして ASUS ZenFone 5Z の 5 シリーズ 3 台, 加えて 3 月下旬には ASUS ZenFone Max (M2) と都合 5 台を買っている私ですが, テスト目的なところもあって仕方がないとはいえ, よく考えるまでもなく Snapdragon 搭載機ばかりの状況に陥っています。
曲がりなりにもローエンドからハイエンドまで一応揃えて買っていることから, Snapdragon の大まかな傾向は掴めた気がしますので, そろそろ別系統の SoC も試したくなってきました。 というわけで「何かないかしらん?」と 4 月辺りから思っていたわけですが, そこへちょうどタイミング良く (なのか? ^^;) HUAWEI が世間を賑わせ始めました。 言うまでもなく米国による諸々の制限です。 「それなら自身が人柱の一柱になれば良いじゃないっ♪」というわけで, HUAWEI 機を買ってみることにしました。
機種選定ですが, 「いつ Google Play を使えなくなるかもしれない」状況にあっては さすがにハイエンド機を買う気にはなりませんので, ミドルレンジの HUAWEI P30 lite を選択することにします。 ある意味ハイエンド機では「あれこれ出来て当たり前」なので, テスト目的としては楽しめない部分もありますし…。 (笑) 結果, あとは「いつ買えるようになるか」だけの問題となりました。 いえ, 新たに会員登録まで必要とする通販系や量販店を使ってまで買うほどでもありませんでしたから…。 (^^;)
…という状況にあった 6 月 4 日…。 プチ状況の変化をチャンスと捉えて「このタイミングで手持ち在庫を売り抜いておこう」と思ったのか, Amazon が停止していた HUAWEI 製品の販売を再開しました。 しかも, 下手なサイトや量販店よりも安い価格で…。 「これはもう買うしかないっ!!」というわけで, その日の午前中に発注して 5 日の 13 時過ぎには件のブツが届いています。 まだ 4 日しか経っていませんね。 (笑) あ, そうそう。 元より「いつ『笑ってゴミ箱』になっても構わない」「そもそも Apple iPhone 8/XS 使いで Android 勢も上で書いた ZenFone 5Z を始めとした 5 台が鎮座している」という前提と状況で買っていますので, 念のため。
HUAWEI P30 lite の大まかなスペックですが, HiSilicon Kirin 710 2.2GHz, 4GB メモリー, 64GB ストレージ, そして 2312x1080 FHD+ TFT 液晶…といった感じになっています。 「TFT 液晶」とだけ書かれていますが, ZenFone 5Z 辺りと遜色なく 4 方向ほぼ水平近くから見ても見かけの色は変わりませんので, 少なくとも IPS と同等くらいではあると言えそうです。 要は「気にする必要はない」ということですね。
筐体ですが, 72.7 x 152.9 x 7.4 mm の 159g と, ZenFone 5 シリーズや Apple iPhone XS を使っている身としては随分軽く感じます。 もっとも前作 P20 lite の 145g からは 14g と死ぬほど重くなっていますけれど…。 (^^;) iPhone XS や ZenFone 5Z と並べてみると こんな感じです:
まずは左上画像ですが, 左隣は iPhone XS で右隣が ZenFone 5Z です。 見てのとおり ZenFone 5Z と ほぼ同じで若干細身といった趣ですね。 なお, 一回り小さく見える iPhone XS のほうが画面の解像度は高いです。 iPhone XS の画面が少々鮮やかさに欠けて見えるのは, オリオン大星雲 (画面の中心僅か右よりにトラペジウムが見える。) な壁紙になっているからなのでした。 既定値から変更されているのは常用されている証拠…おっと話を元に戻して…。
右上画像は P30 lite のホーム画面です。 Android 9 としてはスタンダードな極々普通の画面で, 特筆するような点は何もありません。 何かあるとすれば, 「ZenFone の ZenUI に慣れていると, ナビゲーションボタンが自動で下に隠れてくれない点だけが不便かしら?」といったくらいですね。
というわけで, 「Google Play など各種サービスが いつまで使えるのでしょう?」というのを追っていくのが今回買った主目的です。 現状は以下のような感じ:
左上画像のように今のところは Google Play を始めとした Google の全サービスが普通に使えます。 そして, 一方の OS はといえば右上画像のとおり Android 9 (EMUI 9.0.1.130) と出荷状態のままです。 まあ, 未だサービスが使えるからこそ販売を開始したのでしょうし, 発売から日が経っていないわけですからパッチが登場していないのも仕方のないところでしょう。
さて, 「早くも状況に変化の訪れるはずがない」ということで そちらについては追々新規記事や追記などで経過を書くことにして, もう一方の目的である「Kirin な SoC と Snapdragon な SoC の比較」のほうを試すことにします。 前作 P20 lite の SoC が HiSilicon Kirin 659 (2.36GHz + 1.7GHz) だったのに対して, P30 lite は HiSilicon Kirin 710 (2.2GHz + 1.7GHz) となっています。 地味に 7% ほどクロックが下がっていますので, ゲームアプリなどでは下手をすると体感速度は落ちているかもしれませんね。 Snapdragon 630 (2.2GHz + 1.8GHz) と Snapdragon 636 (1.8GHz + 1.6GHz) が そうだったように…。
御登場願うのは毎度ながらデレステです (笑) :
HUAWEI P30 lite は ちゃんと全画面表示に対応していますので, デレステも普通に全画面で使えます。 2312 x 1080 と ZenFone 5Z 辺りより さらにワイド画面なので, 両端の黒抜きも大きくなっています…悲しいことに。 (^^;) ちなみに iPhone XS は さらにワイドなのですが, あちらは ちゃんと画面一杯で背景が表示されます。 要は Android 版が手抜きというだけです。 そして, それが悲劇を招くのでした…。 (笑)
続いてはタイミング調整:
…なのですが, 調整画面のプレー結果は使えません。 実際の Live をプレーしつつ, ノーツの動きではなく曲に合わせてタップポイントを叩けるようなタイミングに手動で調整する必要があります。 その結果が上画面なわけですが, タイミングの取り方は個々人毎バラバラなので, これは参考値にもなりません…多分。 (^^;) こういった処置が必要になるということは, Kirin 710 は Snapdragon 430 や Snapdragon 632 寄りの能力ということになります, ことデレステやミリシタをプレーするに限っては。
というわけで Live に入っていくわけですが, ここで悲劇は起きました (笑):
上段画像をクリックして拡大表示 (FHD クラス以下の画面では さらに拡大して等倍表示を推奨。) すると判るのですが, バストショットで表示されている美嘉…といいますか画面全体の解像度が著しく落ちてしまっています。 それも HD クラスどころか WSVGA クラスへ…。 上段右画像は画面下部中央の美嘉なタップポイントのみを切り出したものです。
「Live がそうなら MV はどうかしら?」と MV を試しても同じでした。 下段右画像を見て お判りのように, ポーズのポップアップ画面すら そうなっているとなれば, これはもうディスプレーの解像度自体が WSVGA クラスへ落ちているということになります。 ちなみにこれ, Live・MV 共に 3D リッチ設定です…これでも。 (^^;)
不具合は それだけではありません。 『Yes! Party Time!!』の 3D リッチ設定な MV を iPhone XS と比較してみた結果が以下のとおり:
右側は iPhone XS で左側が HUAWEI P30 lite です。 見てのとおり解像度が悲惨なのは当然ながら, その上紙吹雪も舞っていなければライト類も まともに光っていません。 光源なしでは反射させようがないので床も鏡面処理されていません。 はて? 解像度はともかく どこかで見たようなパターンの表示です。 設定を確かめてみると…。
左上画像のとおり設定は確かに「3D リッチ」ですが, 詳細設定 (右上画像) を見ると紙吹雪と映像フィルタが「未対応」ということで無効化されています。 つまり「3D 軽量」と同じ状態に陥っているわけですね。
というわけで, 今度は「3D 軽量」設定な iPhone XS の MV と比較してみます:
見てのとおり (解像度の不具合を除いて) 全く同じ結果となりました。 恐らくアプリが 2312x1080 という「ワイドすぎるディスプレー」での全画面ダイレクト描画を行えないのでしょう。 Windows で言えば「ウィンドウモードなら FHD だろうと DirectX での描画は可能だけれど, 全画面にすると (DirectX で描画するには) 強制的に VGA になる」あのパターンです。 紙吹雪等の無効化は それの煽りを受けているのでしょう…そう思いたいです。 もし本当に「対応できない GPU」であるのなら, それはもう悲劇です。 何をどうやっても 3D 軽量でしかプレーできないわけですから。
…というわけで, ことデレステをプレーするに限っては HUAWEI P30 lite は ZenFone 5Q や ZenFone Max (M2) と同等以下…以前に現状は実質使い物にならないと言えそうです。 いえ, プレー自体は普通に可能ですよ。 負荷が掛かると時々タップ抜けは発生しますが, マスターでもフルコンボは可能でしたし…。 Xperia とか別ベンダーの超ワイド画面スマホだと どうなのかしら? 画面比率や解像度のせいなら Xperia 1 辺りも危ないということになりますし, 逆なら「P30 lite では一生ダメ」ということに…。 (笑)
ちなみにミリシタでは どうかというと:
毎度ながら相性問題に左右されないことの多いミリシタなので, 「劇場・コミュ画質」を標準設定に変更する必要がある以外, 何ら問題なく動作します。 反対に初期値で軽量となってしまうということは, アプリ側で対処可能なものの, そうなるだけの何らかの制限が存在する…ということになります。 なお, 右上画像では紙吹雪等がまったく表示されていませんが, 何も降っていないタイミングなだけで, 普通に紙吹雪もシャボン玉も舞ってくれますので, 念のため。 …って, よく見たらシャボン玉が舞っていますね。 (笑)
Jun.12,2019 追記
デレステの不具合について一番可能性が高そうなのは, 俗に「ジャギる」とか言われている有名な不具合なのですが, それに該当するのかは不明です。 その不具合が発生した際に映像フィルタ等が無効化されて 3D 軽量相当になってしまうのであれば, 十中八九そのパターンでしょう。 その場合は「Kirin 710 の GPU が Mali-T800 系でも Mali-G70 系でもない Mali-G51 だから」という単純な原因に帰着します。 何しろデレステは GPU 名で対応有無の判定を行っていますから…。
Jun.13,2019 追記
少々ネット上を徘徊してみたのですが, Kirin 710 な Android 機は昨年 12 月頃から登場し始めていて, どうやら それらの機種でも P30 lite と同じくジャギる現象が発生しているようです。 つまり, Mali-G51 への対応化は最低半年は放置されているわけで, 今後対応されるとしても さらに半年単位の期間を経てからということになるでしょう。 となれば, デレステが対応するより先に P30 lite を Android 機として使えなくなりそうですね。 最悪あと 2 ヶ月でタイムリミットが やってくるわけですから。 (^^;)
デレステ勢は何も考えず P30 lite を機種選定から外したほうが幸せになれるのかもしれません…。
Oct.23,2019 追記
8 月のリミットは回避されたものの, 次に迫る P30 lite の賞味期限切れまで残り 1 ヶ月となりました。 これまでデレステが Kirin 710 に対応することはありませんでしたし今後も同じでしょうから, 未だ一度も不具合の発生していないミリシタへ移行したほうが幸せになれるかもしれません。 (笑)
それとは別に, P30 lite はアンテナでの表示以上に WiFi の掴みが弱いらしく, 何をするにも やたらとロード時間を食います。 当該機を使用する上で, ある意味これが一番影響は大きいかもしれません。
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