VMware Workstation 6.5 の Direct3D 描画不具合例...
昨日, VMware Workstation 6.5 で発生する Direct3D 描画不具合の例について関係ページで追記を行ったのですが, あちらで比較画像まで付加して説明を行うと少々脱線ぎみとなってしまいますので, こちらに載せておきます。 全て左側が VMware 6.5 の Windows XP MCE 2005 ゲスト (一部 Windows XP Home Edition。) での, 右側がホストの Satellite WXW/78DW での画像となっています。
最初に 3DMark05 GT1 ですが:
3DMark はフルスクリーン表示しか行いませんのでホスト側は Dxtory で撮ったものになっています。 それはともかく, 次の 3DMark03 と同じように一部のテクスチャーが おかしな色 (総じて暗め。) で描画されているわけですが, それだけではなく黒抜け (その上にエフェクトの掛かったものを含む。) となってしまっているテクスチャーが発生しています。 画像の縮小に伴って潰れてしまっていますので, 両方とも真っ黒に見えますけれど…。(^^;) 多くは VRAM の容量不足が元で発生しているようなのですが, 画面サイズ等 VRAM の使用量が大きく変わる設定を行っても同じところを見ると, 別の要因も絡んでいるのかもしれません。
次は何度かネタにしている 3DMark03 GT4 ですが:
見てのとおり VMware 6.5 ゲストのほうが総じて暗めとなってしまっています。 が, この不具合は DST 設定 (3DMark05 で可能なものです。) をオフにすると劇的に改善します。 3DMark03 では当該設定を行えないのですが, 恐らく VMware の内部的には有効相当の処理が基本となっているのでしょう。 「使えるものは使え」ということでゲスト側での処理軽減を図っているのだとは思いますが, 不具合が生じるくらいなら特定 GPU の専用機能を省略値で使わないでほしいものです。 最近は RAGEON 系 GPU にも当該機能が存在しますので, そちらでの挙動に興味のあるところです。
この画像では発生していないのですが, ほかにも GT4 ではホスト側のドライバー (やβの頃には VMware の版) によっては一部テクスチャー (草や木々の葉。) の形が崩れてしまう…という現象が発生します。 崩れ方は概ね一定していて光の照射角の方向へ大きく伸びた菱形となってしまうのですが, 恐らく頂点の座標等が上手く変換されていないのでしょう。 ホスト上でもソフトによっては たまに見られますので, その頻度が上がったケースなのかもしれません。
あとの 3 つは, VMware 6.5 RC Build 110068, つまり現行のゲスト側ドライバーで新たに発生したもので, 表面的な現象は異なりますが同じ要因が絡んでいると思われる不具合です。 まずは Wiz Anniversary ですが:
見てのとおり, 本来表示されるはずのサムネイルがゲスト側では全て黒抜きとなってしまっています。 これでは どの台詞が どのシーンのものかを完璧に把握していないとロードが行えません。 この現象はホストでも GPU や そのドライバーによっては発生していた不具合なのですが, ゲストでは ごくまれ (今までに 2・3 度。) に一部のサムネイルが表示されましたので, 初期化か何かをミスっているのかもしれません。 ホストで発生するくらいですから, これだけは VMware 6.5 の過去の版から発生していました。
次に『タイムリープぶーとべんち』ですが:
これは上の Wiz Anniversary と全く同じ現象 (ただし, こちらは RC 以降で新たに発生。) で, 単に対象領域 (画像) が大きくなっているだけです。 見てのとおりゲスト側ではタイトル画面相当の画像が描画されないことから, グレー背景の上にボタンが表示される結果となっています。 ゲスト側の上下に黒帯が存在するのはワイド用の設定となっているためで, 現象自体とは関係ありません, 念のため。
同じ現象を各画像の Z オーダーを逆にして再現したのが 3DMark05 の (各テストの) ロード & 初期化画面です。 3DMark05 では背景画がスリットの役割をしていて その下でゲージを描画しているのですが, 背景が描画されず黒抜き状態となっているためスリットの役割を果たせず, 結果画面全体が黒抜きとなってしまっています。 同じ処理を行っている 3DMark03 では正常に表示されていますから, やはり画像の初期化か何かの問題なのでしょう。
これら 2 つの不具合は, 発生したところでベンチやゲームの実行自体が不可能となるほどの影響とは ならないわけですが, それが盛大に発生して支障を来してしまっているのが『スカッとゴルフ パンヤ Season 4 Delight!』です:
画像が小さくてパッと見では判らないのですが, ゲスト側の遠方背景は, 実は風景ではなくて それまで表示されたメニューやマップといったウインドウの残骸です。 その上に, カップの方向を示すラインといった情報, 鳥や気球といった変動オブジェクト…などが表示されるわけですが, 前提となっている背景の再描画が行われないために, それらの情報やオブジェクトまでもが順次残骸を形成してしまい, しばらくすると収拾のつかない画面となってしまいます。 上の画像でも, 分かり易いところで, エリカ (プレーヤー。) のショット前後が重なっていますし, 左上のステータス画面も同様です。
ちなみに, このパンヤにはカーソルに関する別件の問題が存在します。 VMware 6.5 の製品版では おなじみの呪文を設定ファイルで唱える必要が一応無くなっているようです:
vmmouse.present = "FALSE"
項目名のとおり この指定は VMware Tools 適用で導入されている「VMware Pointing Device」を無効化するものですので, ホスト・ゲスト間のシームレスなカーソル移動等を行えなくなるわけですが, この指定を行わないとパンヤのカーソル・マウス方面が破綻します。 上の描画不具合どころではなく操作自体が行えなくなります (パンヤはカーソル等入力方面を, 自身が動作している間中乗っ取る仕様のソフトです。) ので強制終了しか手段が無くなります。 こちらの問題もあって, パンヤについては動作確認ソフト一覧から外してあります。
テクスチャー方面については, 無効化が可能なソフトでは指定が行え その場合の描画も正常に行われるわけですから, DST 相当の処理を省略値としなければ良いだけのような気がします。 背景画像の不具合も β2 までは正常に描画されていたわけですから, 単純ミスの可能性が高いです。 というわけで, セキュリティー対策等で 6.5.1 を出す際には, ついでに修正しておいてもらえると有り難いですね。(笑)
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