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VMware Fusion 4.0.2 Build 491587・VMware Fusion 4 について同時に発売されていることから, VMware Fusion 4 と VMware Workstation 8 は基本的に同様の内容となっています。 VMware Workstation 8 といえば Windows Developer Preview (Windows 8) 対応ということで, この Fusion 4.0 でも Direct3D 対応ソフトを含めてゲストでの動作が可能となっています。 その他にも 3.1 で発生していた様々な不具合が全て解消しているのも逃せない点でしょう。 コンシューマー用途の傾向が強い Mac での仮想 PC ソフト利用ですから, 特に Direct3D やサウンド方面の不具合解消は歓迎する方も多いことでしょう。 Parallels Desktop 6 for Mac と VMware Fusion 3.1 との比較では, かなり PD6 にアドバンテージが存在し買い換えすら推奨したいところだったのですが, 今回は, 好みや細部での仕様の違いが大きく影響しない限りは Fusion 4.0 と Parallels Desktop 7 for Mac の どちらを選択しても大丈夫と言えそうです。 ・ホスト環境等Mac 環境動作確認用の MacBook Air です。 11" の Core 2 Duo U9400 1.4GHz, 64GB SSD ベースを選択し, メモリーの 4GB 化と iWork 及び SuperDrive の追加のみ行っています。 NVIDIA GeForce 320M の威力は このクラスとしては絶大ですが, それに対して CPU が少々, そして 1,366x768 ピクセルの解像度が激しく辛いところです, PC エミュレーターを使うには。 もっとも, その辺りを踏まえて使用していますので, 「大丈夫だ, 問題ない。」 OS は Mac OS X 10.7 Lion となっています。 コア部分は BSD UNIX をベースとしたもので, 10.5 Leopard からは正式な UNIX として認定を受けています。 UNIX だけあって安定しているため, 化石 Mac のように爆弾マークを頻繁に目にするようなことは まず有り得ません。 (といいますか, OS X に爆弾マークなんてものがあるのかしら?) 余談ですが, PC に先行して 64 ビット化を果たすことになりました。 (笑) こと手元の環境に限っては, MacBook Air 11" ということで上述したように解像度が低いことから, 基本的には Unity モードで使うことになるでしょう。 あと, 64GB SSD という足枷もありますので, 使うのは 当分は Windows Developer Preview (Windows 8) ゲスト 1 つだけとなりそうです。 良くも悪くも VMware Fusion と VMware Workstation はホストのプラットフォームの違いにかかわらず同じ傾向を示しますので, 環境によっては「物理ドライブで CD/DVD が使用できなくなる」という不具合が発生するかもしれません。 ・ゲスト PC 環境VMware Fusion 4 では, VMware Workstation 8 と同じ Ver 8 へ更新されていて, Bluetooth と Windows 7 / Vista ゲストでの HD オーディオの使用が可能となっています。 また, linux ゲストでは USB 3.0 の対応も行われています。 細かな拡張等を除けば他に大きな変更点はなく, 3.1 の段階で一部の PCI デバイス (VMware 本体のメニューで有効・無効が指定可能なもの。) のゲスト PC 側でのホットプラグ対応や VMCI 周りの改良等が行われています。 新規インストールした Windows Developer Preview の構成を上げておきます。 3.1 以上に半分意味不明のレイヤー相当の役目を担う大量の PCI Express 標準のルート ポートや汎用ポートが作成されていて, いい加減根本的な仕様変更が必要なのではないかと思えてきます: 基本的な構成を VMware 任せにしたことから HDD が SCSI 接続となっていますが, それ以外は VMware 8.0 と殆ど同じ構成となっています。 ・ゲスト OS仮想 PC の再現度が高くなり製品 (VMware) が登場した時点での既存 OS (ただし比較的メジャーなもの。) が大抵動作するようになったからか, マニュアル等では対応 OS について言及されなくなりました。 Win9x 等の古い OS は試していませんが, Ver 7 のゲスト PC では VMware Workstation 7.1 等と同じくハングやインストール不可の不具合が発生するかもしれません。 その場合は Ver 6 へ下げて試してみるのと良いでしょう。 VMware Fusion 3.1 からのアップグレードで再アクティベーションが発生することは基本的にないと思いますが, 累積加点によるケースは存在しますので その辺りは認識しておく必要があります。 ホスト環境の項でも書きましたが, 環境によっては (ホストの) 物理ドライブで CD/DVD を使用できなくなります。 この不具合が発生するのは CD-R への書き込みに対応している Windows XP 以降の Windows ゲストです。 当該ゲストで CD/DVD を使おうとすると (ホストの) ドライブがメディアを読みに行ったまま帰ってこなくなります。 (例のアクセスランプが点灯したままのパターン。) VMX が行っている内蔵ドライブとしての定義と処理が問題となっていますので, 残念ながら「書き込み機能をオフとする」などの対処法は無効です。 VMX が行っている非同期 I/O でのタイミングの問題なので, 「(当該ゲストについて) DMA 2 から DMA 1 や PIO モードに変更する」などの対処法で回避できる場合もありますが, 基本的には VMware の修正を待つしかありません。 おそらく「Windows Developer Preview を動作可能とするための仮想 PC の仕様変更」が裏目に出ているのだと思います。 (ゲスト側で) デバイス設定の「Legacy Emulation Mode」は指定すると改善されることが多いようですが確実ではありませんので注意が必要です。 VMware Fusion 4 の発売と時を合わせるかのように次期 OS である Windows 8 の Developer Preview 版が公開されました。 左側画像ですが, Windows 8 は小型高解像度タブレットを想定した OS なので, Metro UI による全画面表示が基本となりログオンすると このスタート画面が表示されます。 ソフトの実行は基本的に ここで行われ, 従来のスタートメニューは使用できません。 タブレットなら良いのですが, タッチパネルを搭載していない従来の PC を使用する際には, この点に限っていえば非常に後退している印象を受けます。 ソフトの実行には予想外の苦労を強いられそうです。 デスクトップ画面については右側画像のとおり見た目は Windows 7 と変わりありません。 が, スタートメニューは廃止され, 操作的には変わりがないもののデスクトップやタスクバーの仕様についても変更が行われています。 ・描画周りWindows 7 及び Windows Vista での WDDM 版ドライバーと Aero への対応化が VMware Fusion 3 で行われましたが, 4.0 では WDDM 版について さらなる高速化が図られています。 その立役者が AGP メモリーを含めた VRAM 仕様で, Fusion 3.1 までは 32MB のみだった AGP メモリーが 255MB へ増加されています。 さらに, 専用メモリー自体がホストから適当に調達されるようになり, 例えば画像の Windows 8 ゲストでは VRAM の合計が 1GB 以上と大容量となっています。 ただ, この仕様変更は見事にメモリ使用量の増大に繋がっていますので, ホストが 2GB 以下だと少々辛いかもしれません。 (もちろん, それに併せてゲスト側の VRAM 容量は小さめとなるわけですが。) 画像は Windows Developer Preview ゲスト上で『Street Fighter IV ベンチ』を実行しているところですが, 見てのとおり VMware Tools を導入すれば Windows 8 上でも Direct3D 対応ソフトの実行が可能となっています。 よもやα版相当の環境でゲーム等を行おうという方は いないと思いますが, Aero を始めとした描画の高速化はメリットが大きいと思います。 Fusion 3.1 で発生していた描画とサウンドの不具合については, 4.0 では全て解消されています。 Direct3D (DirectX 含む。) の動作を OpenGL 2.1 でエミュレートした上でホストに描かせている辺りは, 他の PC エミュレーターと同じです。 従ってホストはハードウェアレベルで OpenGL 2.1 に対応している必要があるわけですが, システム要件が Mac OS X 10.5.8 Leopard 若しくは 10.6.3 Snow Leopard 以降となっていることから, 放っておいても対応している…ということで, 特に言及はされていません。 なお, Aero を使用する場合については推奨環境の引き上げが行われていて,GeForce 8800GT (256MB-VRAM), Core 2 Duo 2.0GHz が最低ラインとなりました。 (ちなみにホスト 2GB, ゲスト 1GB のメモリーも必要。) つまり, Aero を使うのなら MacBook Air はダメ…ということです。 (^^;; ・サウンド上のほうで書いたように, Ver 8 では それが基本となる Windows 7/Vista といったゲスト環境について, HD Audio 相当のデバイスとして認識・動作するようになりました。 MS-DOS の頃と違ってソフトウェア側へは殆ど影響しないでしょうから, どう認識していようが動作してくれれば問題ない…と言えそうです。 Windows Vista 以降のゲストで HD Audio に特化したソフトを使用するのであれば話は別ですけれど。 VMware 7.x で使用可能な「強制 SB16 化の呪文」が使えるのかどうかは不明です。 もっとも, ES1371 へ正式に対応している Windows Me や Windows 2000 以降の OS については, SB16 に依存したソフトでも存在していない限り, そのまま ES1371 設定としておけば良いでしょう。 さらに, Windows 7 や Windows Vista 等では使えません, 念のため。 (ドライバーが存在しない…といった以前にハードを認識しません。) ・ネットワーク一部の 32 ビット OS では Intel PRO/1000 MT Network Connection として認識されます。 VMware Fusion 2 の頃で既に 1.0G の NIC (VMware Accelerated AMD PCNet Adapter。) となっていますので, 気にする必要はないでしょう。 ・HDDゲスト PC は Ver 8 へ上がりましたが HDD 方面については変化が無いようです。 なので, 気軽にゲスト PC のバージョン変更が行えます。 昔と異なり随分安定した印象を受ける仮想 HDD 周りですが, 容量が足りなくなった際に どうなるのかは判りません。 試したくはないのですが, MacBook Air の空き容量が逼迫 (主に Parallels Desktop 7 for Mac と併用していることによる。 ^^;) していますので, いずれ遭遇するような気がします。 (^^;) ・VMware Fusion のインターフェイスVMware Fusion 4 では Windows Developer Preview ゲストしか使用していませんので, 3.1 の画像となっていますが…。 Unity モードについては初期設定ではゲストのタスクバーが表示されないようになっています。 表示することも可能ですが, VMware Workstation と異なりメニューバーから直接ゲストのスタートメニューを表示 (Parallels Desktop 7 の Crystal モードと同じ。) することが出来ますので, 初期設定のままでも良いでしょう。 Unity モードかどうかにかかわらず, ホストのメニューバーからゲストのスタートメニューを直接表示できますので, その辺りについては VMware Workstation のダイレクトアイコンよりも遙かにスマートになっています。 Parallels Desktop 7 と異なり, ゲストがオフの場合にはスタートメニューが表示されません。 (空項目となる。) Windows 7 ゲスト等では上述のとおりなのですが, これが Windows Developer Preview ゲストでは どうかというと: 上段は通常表示です。 左側の Metro UI は ともかく, 右側のデスクトップ画面では Windows 7 等であればメニューバーからスタートメニューを表示できるところなのですが, Windows 8 ではスタートメニューが廃止されていますので, ある意味便利な機能を一つ潰される結果となっています。 (ホスト側でのゲストのスタートメニュー表示。) それが悲しい結果を招いているのが下段の Unity モードです。 Windows 7 までとはデスクトップやタスクバーの仕様が異なっているため正常に表示が行われません。 といいますかスタートボタンが表示されないと他タスクの起動を行えなくなってしまいますので, 何とか両立して上手く表示させようと苦労している気がします。 (ホストのデスクトップにゲストの Metro UI なスタートボタンだけ表示。) Windows 8 での Unity モード使用は控えたほうが良いでしょう。 スナップショットについては, さすがに それでは酷いと思ったのか, 今回の版では分岐等を行えるように改善されています。 その辺りが影響しているのか管理画面も大きく変更されています。 VMware Workstation 8 とも全く異なった画面となっているのが面白いところです。 |