15 年以上 ADSL 接続で粘っていた自宅の通信回線を漸く光へ切り替えた 2018 年 10 月から 2 年が過ぎました。 光といえば今なら 500 Mb 以上…そうでなくとも 100 Mb 程度は期待したい回線ではありますが, 当時に記事で書いたとおり「光」は光でも PPPoE 接続での IPv6 なので, 日中の回線が混んでいない時間帯であれば 80 Mb 前後となるものの, 混みまくる 21 時~23 時辺りなどは 2 Mb 未満…下手をすると 1 Mb すら切る「ADSL 時代のほうがマシだったのでは?」と思える状況が続いています。
もっとも, ADSL 時代には良くても せいぜい 4 Mb までだった (何しろ経路 3km 超え) 速度が, 日中のみとはいえ 50~80 Mb ほど出るようになったわけですから, 実害があったわけではありません。 夜間にしても言ってしまえば「ADSL でも光でも速度に変わりなし」だったわけですから。 (^^;) その一方で, 今年に限って言えば, 巷でのテレワークなどによる負荷増大が影響しているのか, 日中でも 50 Mb を切ることが多くなっているのも これまた事実だったりします。 夜も より低速になりがちですし…。
ともあれ, 実害は大きくないものの速いに超したことがないのも確かですから, 「IPoE 接続できるようにならないかしら?」とは常日頃から思っていたところです。 となれば, 頻繁にではなくとも 2・3 ヶ月に一度くらいはプロバイダーの公式サイトへ情報を仕入れに行くことになり, 最近であれば 8 月の お盆は夏期休暇中にチェックしています。
その 8 月には何の音沙汰もなかったのですが, 2 ヶ月後は 10 月 21 日の昼休みに たまたま iPhone でプロバイダーチェックをしてみたところ, なんと 9 月から「v6 プラス」による IPoE 接続オプションが開始されていました。 もう, これは申し込むしかありません。 HGW の PR-500MI は元々 IPoE 対応ですし, IPv6 化の際に更新した Aterm WG1800HP2 も IPoE 対応ではないものの「IPv6 ブリッジ」をオンにすれば通信自体は可能なはずです。 それでもダメなら PPPoE 接続へ戻せば良いだけですので, お気楽モードで試してみることにしました。
というわけで, 光回線契約用の ID やコードが必要になるのと iPhone を使っての申し込みは間違いをしでかしそうでもありますので, 帰宅してから改めての申し込みとなっています。
その申し込みに当たって申し込みフォームの備考欄に記載した懸案事項が 2 点ありました:
- リモートによりファームを書き換えることになるが, 現在ブリッジモードで使用している PR-500MI を標準モードへ切り替える必要があるのか?
- IP 電話との相性問題が良く話題に上る一方, ひかり電話で そのようなケースはあるのか?
1 点目は単純に「ブリッジモードのままでリモート操作可能なのか?」という話で, 必要なら通常モードへ戻すだけで難しいことは何もありません。 なので備考欄にも「ブリッジモードだけれど必要なら切り替えるから連絡してね~」と書いています。 (笑)
2 点目は, もし問題があるようなら IPoE 接続を諦めるしかないわけなのですが, 「ひかり電話は大丈夫」という巷の情報がありますし, プロバイダーにも その辺りの記述が見られませんので, あくまで「念のため聞いてみた」だけです。
さて, その翌日は 22 日の午前中…。 勤務時間だったのですがプロバイダーから電話が掛かってきました。 「問題があったら要連絡」という趣旨で書いていたので「げげっ!!」と思ったのですが, 蓋を開けてみれば「ブリッジモードのままで大丈夫。 ひかり電話も問題が発生することはないですよ~」という回答の連絡でした。 ただ, 「HGW のモード等が切り替わるのは確かなので WG1800HP2 側の設定変更が必要になるかもしれない」とのことで, その辺りを確認するための電話だったようです。 元より織り込み済みですので「必要なら自前で設定変更する予定なので大丈夫ですよ~」と返答したところ, 「あ~良かった。 その辺りを確認したかったんです。」と本音が漏れていました。 (笑) 想像するに, その辺りで引っかかる顧客も多いのでしょうね…。
「早ければ 24 日に切り替わりますよ~」という話だった, その当日の 24 日は土曜日。 切り替えに伴って通信断が発生すると思っていたものの, 何事もなく夕方になってしまいました。 「あ~。 さすがに今日は無理だったか」と思いつつも何気なく PR-500MI を見たところ違和感が…モニターランプ類の点灯具合に違いを感じたのです…気のせいなのかもしれませんけれど。
早速確認…と WG1800HP2 をローカルルーターモードへ切り替え PR-500MI の設定画面を開いてみたわけですが, その基本設定画面で答え合わせは終わってしまいました。 表示された「接続先設定 (IPv4 PPPoE)」の項目が全てグレーアウト…要は とっくの昔に IPoE 接続へ切り替わっていたわけですね。 「いや, 何故それで PPPoE 接続できているの?」と WG1800HP2 の接続設定を確かめてみたところ, そちらは「接続中」表記。 どうやら, IPoE 化で即 PPPoE が無効になるわけではないらしく, PPPoE セッションは未だ有効で その結果通信断に至らなかったようです。
状況が掴めたので WG1800HP2 を IPv6 ブリッジモードにした上で PR-500MI 共々再起動したところ, 無事 IPoE での IPv6 接続を行えるようになりました。
というわけで, ここまでの状況確認です。 まずは PPPoE 接続時代の通信速度:
アプリでは後から測定画面での表示を行えないのが少々不便…なのは置いておいて, 夕方から 25 時になろうか…といった辺りまでの時間帯については, 見てのとおり下りが 2.58 Mb~6.63 Mb 辺りの ADSL 並みな速度に落ちてしまっています。 これは まだ良いほうで, 2 Mb を切ることもしばしばな上, 下手をすると 1 Mb すら切ってしまう辺りは上で書いたとおりです。
それに対して IPoE での IPv6 接続は:
左画像のように, 低速度となるはずの時間帯でさえ, 下りが 131.89 Mb, 上りに至っては 369.09 Mb と別次元の回線速度になっています。 下りが上りと同じくらい速いと有り難いのですが, 環境的に どうやっても無理なようで, 日にちや時間帯によらず これくらいが限度のようです。 ちょっとだけ残念。 (笑)
で, ルーターのあるリビングでの 5GHz 接続では そうなのですが, これが都合 3 枚ほど壁を通過する 2 階の自室では, 右画像のように 2.4GHz 接続となることもあって, 下りは 73.62 Mb, 上りが 89.01 Mb まで遅くなってしまうのでした。 クワッドチャネルを行えないのが効いてしまっているようですね。 もっとも, これまでのことを思えば何の問題もないと言えそうですけれど…。
その後 1 日ほど様子見をしても問題は発生しませんでしたので, 日曜の夜に PR-500MI 等での IPoE 接続では必須と言われる設定変更…「IPv6 パケットフィルタ設定 (IPoE)」は「IPv6 セキュリティのレベル」での「高度」指定を行って一段落となりました。 最後に WG1800HP2 で設定していたパケットフィルターを PR-500MI で指定しておきます。
ここまでで無事 IPoE 接続を行えるようになったわけですが, その一方で防波堤が PR-500MI のみで (IPv6 ブリッジ指定である) WG1800HP2 側は素通りするようになってしまいました。 これでは少々不安な気もしますので, 2 年しか経っていませんが WiFi ルーターを IPoE 対応のものへ更新することにしました。 あまり悩みたくありませんので, 機種は比較的情報の集まっている Aterm WG1900HP2 を選択することにします。
というわけで, 月曜は 26 日の昼休み中に発注した WG1900HP2 が不在通知攻撃での 1 日敗北を挟んで 28 日に届きました。 今度は手元に LAN ケーブルがあるものの, せっかく双方が対応機種ですので, 子機機能を利用した Wi-Fi 設定引越し機能を利用してみることにしました。 結果は…失敗。 (^^;) 結果論ですが, WG1800HP2 と WG1900HP2 とでプライマリー及びセカンダリーそれぞれの使用周波数が逆だったせいで上手くコピーできなかったようです。
WG1800HP2 のほうがプライマリー 2.4GHz, セカンダリー 5GHz なのに対して WG1900HP2 はプライマリー 5GHz, セカンダリー 2.4GHz という既定値で そのまま使っていたわけですが, それが原因なのか WG1900HP2 へはプライマリーである 5GHz 側の設定しか行われなかったのです。 自室での利用は 2.4GHz での接続が主ですから, それもあって当該周波数の優先されることが多く, そのせいで上手くデバイスから繋げなかったのでした。 ともあれ 2.4GHz 側を手動で設定して既存デバイスから普通に繋げるようにしておきます。
というわけで今度は本番です。 WG1800HP2 を外し代わりに WG1900HP2 を設置し何も考えずに WG1900HP2 を起動します。 結果は…自動認識で「ローカルルータ」モードになりました…「ブリッジモードへの切り替えを推奨します。」の警告付きで。 手動で「v6 プラス」を指定しても起動後の自己設定に失敗しローカルルータモードでの自動再起動となってしまいます。
おそらく PR-500MI でのパケットフィルター設定が影響しているのだと思いますが, IPv4・IPv6 共々普通に v6 プラスで接続できていますし, 警告表示が気持ち悪いだけで何か無効化されている機能が存在するわけでもないので気にしないこととしました。 (笑) 最後に WG1800HP2 と同じパケットフィルターリングを WG1900HP2 でも行っておきます。
さて, IPoE 対応ルーターである WG1900HP2 へ変更しての通信速度は:
左画像のとおり下りが 124.41 Mb, 上りが 326.93 Mb と, さすがに二重ルーター状態だけあって少々速度は落ちてしまいました。 もっとも, 体感できるような差ではありませんけれど…。 一方自室では右画像のとおり下りが 80.08 Mb, 上りが 69.98 Mb と殆ど誤差の範疇となっています。 家屋内での電波状態が大勢を決している状況なのでしょう。 一桁台だったりした PPPoE 接続時代に比べれば天国なので, これくらいは全く気になりません。
ちなみに, WiFi ルーターが変わったことで自室での 5GHz 接続が多少マシになったような気がしますので, 比較的通信が重めだった 31 日は土曜の朝に波長それぞれでの速度を測ってみました:
左画像 2.4GHz 接続が下り 34.95 Mb, 上り 52.89 Mb だったのに対して, 右画像 5GHz 接続では下りが 76.09 Mb, 上りが 68.76 Mb と, 上りはともかく下りが 2 倍の速さとなりました。 これだけ差があると体感も違ってきそうですので, 接続が安定するようなら 5GHz を優先しても良さそうです…iPhone 等では 2.4GHz 側の自動接続を切るなどスマートではない設定変更になりそうですけれど…。
…というわけで, 漸く自宅回線も多少は「光」らしい通信速度を確保できるようになりました。 自身に限っても開通から 2 年以上経っていたわけで半ば IPoE 対応化を諦めていたところですから, 今回の v6 プラス対応は非常に有り難いものとなりました。 「プロバイダーさん, よく頑張った!!」 (笑)
そういえば余談…。 セキュリティー方面を始めとした各種ログ機能の存在しない WG1900HP2 はダメダメだと思います。 コンシューマー向けだろうが何だろうが, ログくらい採れないとトラブル対応すら行えないわけで…。 何かそれで困ることが発生した時点で買い換えることになると思います。 (^^;)
Nov.17,2020 追記
WG1900HP2 が「v6 プラス」モードで動作しないのは, 一部プロバイダーで遭遇するフレッツジョイントとの相性問題が, 手元の環境でも発生していることによるものでした。 つまり, フレッツジョイントにより設定情報が PR-500MI に配信され, それにより PR-500MI 側で MAP-E での IPv6 over IPv4 通信が成立していることから, WG1900HP2 側で接続を確立する必要がないのです。
見方を変えれば WG1900HP2 側で MAP-E での接続を行いようがないわけで, 結果, 自動認識ではルータモードで起動, 手動で v6 プラスを指定しても接続を確立できずルータモードで再起動…という動作になっているのでした。 上で書いたとおり, 個人的には二重ルーター状態で一向に構わない…どころか, それを望んでいる節があるくらいですので, 状況さえ解れば それで良いです。
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