『白鳥の湖』 (デュトワ/OSM) の CD と録音...
先日, ロジェストヴェンスキー/ボリショイ劇場管弦楽団の『白鳥の湖』 CD をリセール品で US LA から入手したのですが, それだけでは寂しいので「何か良さげな面子のものはないかしら?」と探してみることにしました。 早速 Web 検索でもしようかと思ったわけですが, 実際に探すまでもなく前々から買う予定だったもののあった点に気付きました。 それが標題のデュトワ/OSM (モントリオール交響楽団) の面子による録音です。
買おうと思っていた理由ですが, デュトワ/OSM と言えば『ローマ 3 部作』や『展覧会の絵』, 『火の鳥』といった煌びやかな演奏の得意な面子です。 それが『白鳥の湖』に適用されると どのような感じになるのかしら? といった興味を前々から抱いていたのでした。 もちろん, かなり異なるジャンルの曲ですから, そのままといった感じにはなりませんけれど。
というわけで, Amazon で注文したところまでは良かったのですが…。 「なんじゃこりゃぁ!!!!」と思わず叫んでしまった点が 1 つ。 それは削除曲の選定です。 『白鳥の湖』は速めのテンポを採らない限り補追を含めた全曲を CD 2 枚に収めることは出来ません。 なので 2 枚に収めるため一部曲の削除されるケースが多々あります。 それだけなら良かったのです…それだけならば。
ところが, この CD で削除されているのは:
13) Danses de Cygnes
c) Tempo di valse
f) Tempo di valse
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14) Scène
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といった面々でした。 ええ, 方針は解りますし そう言った意味では正しい選択なのです。 第 13 曲の (c) は (a) と細部を除いて同じですし, (f) も (a) のバリエーションでしかなく比較的短めです。 第 14 曲も第 10 曲と全く同じものが再奏されるだけです。 要は「重複部分を除いて全曲納める」という方針を採っているわけで, 削除数も 3 曲で済んでいます。
だが, しかし…。 この録音は「組曲」でも「ハイライト」でもありません。 一貫したストーリーを基に構築されている「全曲版」です。 第 13 曲の (c) が削除されているのは良いでしょう。 バレエ公演でも軒並みカットされていますから。 (f) の「3 羽の白鳥の踊り」も譲歩します。 こちらは短いながらも「残念…」と感じる方も多そうですけれど。
問題は第 14 曲なのです。 これ, 確かに第 10 曲と全く同じ曲です。 が, 人間の姿に戻っていたオデットが再び白鳥の姿となって去っていってしまう, 第 2 幕のクライマックスを構成する最重要クラスの曲です。 これを削除したのでは, 「最も重要」とされることもある第 2 幕自体が崩壊してしまい, 結果「全曲版」である意味すら失われてしまいます。
この録音…。 実は録音自体は 1 曲も削除されることなく全曲行われています。 ええ, 完璧なコンプリート版なのです。 ところが, 各国向け 2 枚組 CD を作成する段階で, 個々の判断・方針で削除が行われているのです。 結果, 日本向け, アメリカ向け, フランス向け, ……, で それぞれ削除曲の選定が異なっています。 ちなみに, メジャーどころでは, ドイツ向けが日本からの輸入を採用していて, イギリス向けがフランス向けと同じ (もちろん, 英語と仏語の違いはあります。) になっています。
不思議なのは「どこも CD 3 枚組の全曲収録版を出していない」点ですね。 録音自体が全曲行われているだけに, 実にもったいない話です。 ちなみに, 日本・アメリカ・フランス向けの 3 つを手に入れると全曲揃います。 どうしても全曲揃えてみたい方は どうぞ。 (笑)
Oct.26,2010 追記
22 日に米国向けの CD が届きました。 フランス向けの CD は 11 月上旬になると思います。 3 つ揃ったら, 収録曲の違いを一覧したいと思います…Amazon 等での表記は あまりアテにできませんので。
Mar.14,2011 追記
5 日に当該 CD が発送され, 11 日に届きました。 が, 米国向け版へ変更された上にケースの中身が入れ替わっていました。 (^^;;
8 月下旬に大々的に宣伝された「安全でないライブラリのロードにより、リモートでコードが実行される」 (マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ (2269637)) の脆弱性ですが, 今日になって Lhaplus や Lhasa の脆弱性情報が JVN で公開されました。
これ, 番号を振らざるを得ないのは解りますけれど, 同一の者が同時に報告したものまで別々に振っていくつもりなのでしょうか? いえ, この脆弱性に該当するソフトは巷に溢れていますから, いちいち番号を振っていたのでは 3 桁では足りないと思うのですけれど…。 アーカイバー方面 (機能のもっているものを含む。) だけでも, OLS, 市販ソフトにかかわらずゴロゴロしているわけですし…。 ことごとくが報告されたとしたら, CVE 番号は楽しいことになりそうですね。 (^^;;
個人的には, このタイミングまで放置されているソフトは, メンテの停止しているものだと思います。 報告者にしろ JPCERT にしろ, あまり対応を期待しないほうが良いでしょうね, 少なくとも OLS 方面については。 それ以上に市販品の即時対応は期待薄でしょうけれど。
Oct.15,2010 追記
JPCERT / IPA さん…。 元ネタが同一番号なのですから, 同一ソフトについては, せめて DLL 読み込みと実行ファイル読み込みについて まとめて番号を振ってください。 報告者まで同じなのに…。 冗長すぎて参照する気が失せてしまいます。 それにしても, 今頃ゴロゴロこのネタが登場してくるというのは, ある意味終わっている気がします。 報告側が騒ぎが起きて 10 日程度は様子見をしていたのでしょうけれど。 で, そこから公開までに おなじみの 1 ヶ月が掛かっていると。 (^^;)
まぁ, OLS の作者辺りでは意外と このネタ自体を知らない方が (巷で思う以上に) 多いのかもしれませんね。 3 日ほど後という初期の頃だったとは言え, あれだけ大々的に Web で流れていたにもかかわらず, 「知らなかった…」といった呟きが Twitter 上に登場していましたから。 スルーしてしまっている方にとっては, 3 日後だろうが半年後だろうが同じですから。
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