2021 年 11 月に Carrozzeria VREC-DH300D + RD-DR001 を買ってから 3 年近くとなりました。 これまで特に問題は発生していませんし, 能力不足を感じることもなく使えてきたわけですが, 世の中は進化し続ける…という訳で, 昨今では AI による予測機能の付いた機種も登場してきています。
その中で目に付いたのが表題の 70mai Dash Cam Omni X200 でした。 一般売りは 2023 年夏前ですが, クラウドファンディングでの先行販売は 1 月でしたから, 実質 2022 年の年末モデルに当たります。 しかし, 未だに そこかしこで評価記事や動画を見掛けるのですよね。 後数ヶ月もすれば 2 年となる言ってしまえば古い機種なのですが, その割に記事類の多いのが気になった次第です。
となれば毎度のパターン…。 8 月下旬に買ってサクっと仮設置してみました。 仮なので配線は表に出たままですが, 気にしないことにします。 気に入ったら本格的に設置し直すことにしましょう。 あくまでもメインは VREC-DH300D なので, 駐車監視用のオプションは無しです。 電圧監視もなさそうなので, となれば専用のバッテリーが追加で必要と, お遊びにしては規模が大きくなりすぎますしね。
USB-C での 5V 2A 供給とスマホ用の AC アダプターが使えますので, 初期設定の更に初期設定を自宅内で行ってから, 車内で続きを設置共々行いました。 上下方向の位置合わせ…つまりレベリングは適当で, 少々近めの距離に認識されるのですが, 早く警告される分には問題ないので, この 1 ヶ月間変更していません。 (^^;)
行った設定は以下のとおり:
まずは左画像ですが, AI 機能目的なので高圧縮エンコードで FHD 30 FPS で 3 分毎の録画としています。 1 分だと少々ブツ切れ過ぎる嫌いがあるのですよね。 VREC-DH300D が 3 分なので同じにしておくと便利ですし。 通勤時の 80 分くらいだと, 不思議と 30 秒とズレません, VREC-DH300D と X200 のタイミングは。
次に中画像…。 オプションを着けていないのですから, 駐車監視方面は当然ながら全てオフです。 ADAS は こちらも当然オン。 音声コントロールはオフですが, WiFi ホットスポットを繋ぎ直すケースが滅茶苦茶多いので, この記事を書いている今はオンにしています。 (WiFi 方面も音声コントロールが可能。)
最後に右画像ですが, ADAS による警告は全てオンにしています。 いや, お試しなのですから取りあえず全部使ってみないことにはダメでしょう。 (笑)
設定が終わったら, ちょろっと 8 km ほど近所を走って X200 に車両感覚を覚えさせます。 (ADAS 校正) いや, 田舎の生活道路だと意外に「40 km/s 以上暫く出し続ける」というのが出来ないのですよね。 (笑) なので, それを行えそうなところまで ほんの少しだけ遠征しました。
さて, ここから ADAS の各警告について動画で例を挙げるわけですが, まずは大前提です。 X200 は評価記事等を含めて やたらと「360° で死角なし」と謳われていますが, それは駐車監視時の話で, 走行中は基本的にシングルカメラ…要は前方撮影だけ…のドラレコでしかありません。 その駐車監視時にしても, 「音などでイベントと認識した方向にカメラを向けて 10 秒間撮影」というものなので, その場に留まり続ける不審者辺りには対応できても, 当て逃げには対応できません。 たまたま そちらにカメラを向けていれば間に合うでしょうけれど。
その一方で, 走行時でも音などによるイベント判定を行っているのかもしれません。 時たま混じっているのですよね…横や斜め後ろの撮影されたイベント動画が…。 殆どがエンジンを掛けてから走り出すまでなので, 最初…若しくは止まっているときだけなのかもしれませんけれど。
Sep.28,2024 部分追記
書き忘れていましたが, ファームウェアは今年 6 月のものに更新しています。 なので発売当時のものとは挙動が異なるかもしれません。
それでは動画に入っていきますが, ADAS による警告が主題なので, 音声は そこそこですが解像度は低めです。 そして その音声も VREC-DH300D のものを選択しています。 いや, 単純に そちらのほうが全体的な音声を把握しやすかっただけです。 ただ, 車体経由でロードノイズなど最低音域を やたらと拾っているので, LumaFusion での編集時に 40 Hz 以下をフィルター的にカットしています。 結果, 160 Hz 辺りからジワジワとレベルが下がりだし 40 Hz 以下が無音化されていますので, 少々シャカシャカした音になっているのでした。
まずは車線逸脱警報と前方車接近警報です:
X200 側で各種マーク表示等をオンにしていて状況が判り辛くなっている嫌いがありますので, 比較用に VREC-DH300D の動画を上に並べてあります。
一番便利なのは多分「前方車接近警報」です。 信号待ちしているケースなど こちらとの相対速度の差が大きい場合は かなり手前で警告してくれますので, 有り難い存在です。 その一方で双方が走行中など差が小さい場合は, 相当近くならないと警告してくれませんので, 急ブレーキが必要なケースだと, 実際問題としては警告されたとしても全く間に合わない気がします。
あ, カメラ設置の関係上 5~10 m は近く判定されていますが, それにしたって 55 km 以上で走っていて前の車と 15 m 未満で警告なし (相対速度 3 km/s 未満) なのですから, 「推して知るべし」です。 (^^;)
前方車接近警報には大きな問題が 1 つあります。 それは…「軽自動車には無力」な点。 元々が国外向けだからでしょうけれど, 軽自動車を「自動車と認識しない」のですよ…笑えることに。 (笑) 海外勢の「おもちゃじゃないの, アレ?」ってヤツです。 なので, 7 割くらいの確率で二輪車と認識します。 結果, 各種警告の判定は二輪車の それとなりますので, 車相手には役に立ちません。 (^^;)
一方の「車線逸脱警報」ですが, ハンドルやウィンカーに連動しているわけではありませんから, 車線変更時等にも警告してくるのは避けられません。 まあ, 僅かながらでも自身がハンドルを捻っているわけですから, そこまで気になりません。 逆に気になるのはカーブや車線の増減時ですね。 普通に走っていても前方にセンターか路側側のラインが迫ってくるわけですが, 少々誤爆が激しいのですよね。 いや, 一時的ながらも端に寄るわけですから, 警告としては正しいのでしょうけれど。
X200 の動画ですが, 全般的に明るく彩度も高めです。 一方の VREC-DH300D は少々暗めに当たりますが, これはブレーキランプの点灯などを際立たせるためだと思います。 実際 X200 に比べて随分判りやすいですし…。 あ, そうそう。 X200 の海抜表示はデタラメで参考にもなりませんので, 念のため。 気圧でいくらでも明後日の値を表示しますので, 後ろのほうの歩行者警告の動画を見ると解りますが, 全く同じ場所で -2 m と 21 m の表示に分かれています。 (笑)
なお, カーステで流れているのはロジェストヴェンスキー/ボリショイ劇場管弦楽団の『白鳥の湖』 (69 年録音) です。 第 24 曲「情景」…つまり 3 幕のクライマックスですね。 オディールとロッドバルトが正体を現すところです。 普通は RCA な CD を聴くところなのですが, これはメロディア盤レコード相当のロシア国内向け CD という滅茶苦茶レアものです。 しかも独 Amazon のマーケットプレイス。 ドイツ語筆記体で書き殴られた住所なのに良く届いたと褒め称えたいです…配達・郵便界隈の方々を。 (笑)
次に前方車発進警報:
ホンダ車のプリクラッシュレーダー方面でも この機能が付加されたりしていますが, これって必要なのでしょうか? 寝ているかスマホ弄りにでも没頭しているかしない限り, 前の車が走り出すのは判りますよね? しかも信号を認識しているわけではありませんから, 前の車が盛大に赤信号で見切り発進しようが, その前の車が止まったままだったりして即急停車する始末でも, 平気で警告してきますし。
このシーンは動画記録用に警告されるまで故意に待っています。 (笑) なお, 流れている曲はショルティ/CSO の『マーラー 6 番』の 3 楽章です。 同じ録音ながら交響曲全集のものではなくて, 「LONDON BEST MORE 50」な CD です。 全集限定版な CD をカーステでボロボロにするわけにはいきませんから。 (^^;)
続いて歩行者衝突警告:
上の動画は横断歩道でのシーンです。 歩行者の認識マークが点灯したり消えたりしているのは, 二輪車に誤認識しているからです。 そちらで詳しく書きますが, X200 は二輪車を真面に判別できないのでした。 (^^;)
一方の下動画…。 こちらでは前方から二人が別のタイミングで やって来ているわけですが, 最初の男性は認識しつつも警告せず, その後の小学生では警告しています。 その差は何か…「車道へ出ているかどうか?」です。 男性が交差している道路側へ避け気味に歩いているのに対して, 女の子は そのまま車道を歩いているのでした。
ここから言えるのは「飛び出し系は間に合わないかも」という点なのですよね。 そこそこ近くにいて, 尚且つ言わば車の前に出てから初めて警告する訳なので。
なお, 殆ど聞こえていませんが, 下の動画では実はボニング/ナショナルフィルの『眠りの森の美女』が流れています。 2 幕の第 14 曲「情景」が終わるところですね。 (笑)
こちら 2 つの動画は「警告してくれない」パターンです。 信号機のない T 字路で右左折しようというシーンなのですから, 是非とも警告して欲しいところなのですが, 歩行者と認識しつつも全く警告する素振りは見せません。 ドラレコが自車を 0 km/s と認識している限りにおいては, 全ての警告がオフになるようです。 なので下動画では, 止まり切っていないことから後半の自転車には しっかり反応して警告しているのでした。
なお, 上動画で聞こえているのはショルティ/CSO の『マーラー 6 番』1 楽章です。 ここから 20 分ほど経ったのが, 上の発進車警告な動画のシーンです。 (笑)
更に自転車・バイク接近警告:
これと, 下の夜間な動画を見ると良く判るのですが, 基本的に自転車・バイクに対する警告有無の判定は歩行者と同じだったりします。 つまり路側帯や反対車線側など「ラインの向こう側」に居る限り警告してくれません。 ええ, 殆ど無意味な機能に成り下がっています。 しかも, 一度警告フラグが立つと永久に警告し続けます。 安全な距離だろうが何だろうが, 前にいる限り 20 分でも 30 分でも…。 (^^;) 二輪車が後ろへ下がるか, 右左折で どこかへ消えるか, 100 m も離れて認識外となるかしないと, 警告から逃れる術はありません。 そして, このパターンへ頻繁に陥るのが軽自動車なのでした。 (使えない。 笑)
なので, この動画でも実質すり抜けと同じようにバイクが抜いていくわけですが, ぎりぎりラインの向こう側なので警告されることはありません。 路側帯側も同じで, つまるところ危険運転は勿論のこと, 比較的危ないシーンにも無力です。 (^^;)
因みに聞こえているのはカラヤン/BPh の『惑星』です。 新録音の火星ですね。 旧録 CD も持っていますが, レコードも持っていた こちらが好み。
Sep.28,2024 部分追記
上の前方車接近警報の項目で書きましたが, 軽自動車は頻繁に二輪車と誤認識されます:
そもそも「自動車とも歩行者とも判別されない」ものを二輪車として扱っているのであって, 「二輪車を判別しているわけではない」のが問題なのでした。 なので, この動画の最初のほうでは軽自動車が「自動車と判別されていない」ので, 距離は表示されませんし, 自動車を対象とする前方車接近警報の類いは一切機能しません。
上のほうで書いたとおり, 特に何かあるわけでもないのに以降ずっと警告し続け, その後, 当該車が車線変更をして斜めから見る形になって初めて「車と認識」しています。 この AI はフラグ的に対象を扱うケースが多いので, 以降ずっと自動車と認識し続けるわけですが, それまでに時々現れた距離表示は, 単に更に前の車などを認識しただけですね。
で, 当該車の前が また軽自動車だったものの, こちらは たまたま車と認識されたようです。 まあ 3 割くらいは正しく認識するわけですから, そんなものでしょう。
オマケで薄暮と夜間:
どのように撮れるのか, 薄暮と夜間で試してみました。 どちらも しっかり明るめに撮れています。 これだけ見えれば十分ですね。 対向車が ほぼ全てヘッドライトを点けている辺りから, 薄暮な動画のほうも, 実は意外と暗いことが判ります。 あと, 夜間の動画ですが, 自転車を歩行者に判別し損ねているのは置いておいて, 路側帯を走っているので, 全く警告してくれません。 ええ, 半分無意味機能と化しています。
因みに, 上動画で聞こえているのはボニング/ナショナルフィルの『眠りの森の美女』で 3 幕な第 27 曲 b 「アダージョ」です。 そろそろ終曲も近いですね。 下動画のほうは, ショルティ/CSO の『「さまよえるオランダ人」序曲』です。 ワーグナー管弦楽集のやつですね。 なお, デッカの CD ではなくて, レコードを再生して CD 化した どっかの廉価系 CD です。 カーステで本家 CD を傷物にしたくないから…以下同文。 (笑)
あとレーダーが「500m 先に交番が~」と警告した直後に派出所が見えてきますが, これは派出所が移転したからです。 地図データーを更新するほどでもないので放置してあるのでした。 (^^;)
Sep.29,2024 部分追記
既に暗くなってしまっている状況では問題ないわけですが, 明るさが急に変わってしまうトンネルの類いではどうなのか試してみました:
流石昨今の機種といいますか, DH-300D 共々明るさの変化には全く問題なく追随できています。 結果論ですが, わざわざ試す必要はありませんでした。 (^^;)
因みに, 小さすぎて全く聞こえていませんが, 実はクーベリック/バイエルン放送交響楽団の『ブルックナー 4 番』が流れていたりします。 1 楽章ですね。 あ, ノヴァーク版です。
オマケの続きで雨降りと警告・案内の大合唱:
まずは上動画ですが, X200 は助手席側…それも若干外側に設置されていることから, 雨天時にワイパーが上手く掛かるか不明でしたので, 試してみたものです。 断続的ながら そこそこ強い雨でしたので, 丁度良いケースとなりました。 特に距離認識を間違えることもなく, 問題はなさそうです。
一方の下動画…。 レーダーとナビとドラレコが犇めいて警告類の大合唱となっています。 いや, 殆どがレーダーですけれども。 (笑) 因みに聞こえているのはスラットキン/セントルイス交響楽団の『マーラー 10 番 (マゼッティ Jr. 全曲版)』の 3 楽章です。 完成している 1 楽章以外は かなり初期のラフしか残っていませんから, オーケストレーションが どうしても薄くなるのは仕方がないですね。
脱線して, 2 年前に目の前で起こった事故の動画なぞ:
2 年前なので VREC-DH300D なのと, 事故った車のクラクションが ずっと鳴り続けたりとアレなので音声は切ってあります。 あと自身シレっと素通りしていますが, この後昼休みに管轄署へ連絡して要請を受け, 帰りに出頭しているのでした。 GPD Pocket でドラレコの動画を見てもらって, 簡単な聴取も受けていますが, 読み上げも署名捺印もなしなので, 調書ではありません。 1 時間ほどだったかしら? 何やら「(現場検証と) 番号が違うぅ~何故だぁ~?」とナンバーの確認をしていました。 (^^;)
Sep.28,2024 部分追記
脱線その 2 で, 2 日前のスピード違反取り締まりなぞ:
職場の交通安全講習での県警の偉い人 (警視) の教え「せめて +10 km/h 未満に抑えて!!」を盲進し, 「Maestoso ma non troppo (堂々と。 しかし, 過度でなく)」で, ぶち当たりに行った…わけではなくて, 大型車を追い越す形になったので単に走行車線へ戻っただけです。 いや, 目の前にレーダーが待ち構えているのは判っていましたけれどね。 (笑)
微妙に下り坂で速度が下がりきらなかった (追い越し終了でアクセルを緩めただけ) ので撃たれてはいますが, 取り締まり対象とはならなかったようです。 まだ 2・3 台は引き入れ可能なスペースがありましたしね。 (^^;)
…といった感じで, まあ AI 機能に夢を見なければ, シングルカメラのドラレコとして そこそこ使えるのではないでしょうか? 「それで 32GB 版でさえ 2.5 万も出すのか?」という話は置いておいて…。 (笑) なお, 自身はセールな税込み 1.98 万で買っていますので, ほんの少し軽傷で済んでいます。 メイン使用でもないですしね。 (^^;) [一覧]
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