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今日の出来事 (May, 2024)

●May.03,2024

LumaFusion 4.1.3 での比較動画作成...

 先週のものを含めてですが, ここ 2 ヶ月に渡って, ネタ自体は異なるものの似たような形式の比較動画を上げる記事が続きました。 そのどれもが自身の常用している動画編集アプリである LumaFusion で作成しているわけですが, その 2 ヶ月の間だけでも「あれ? ここって数値に何を指定していたっけ?」といった感じで半分忘れているケースが散見されています。

いえ, 動画自体の作成手順は ちゃんと覚えていますし, あまり開始・終了位置に拘わらないのであれば, ものの 3 分もあれば比較動画を 1 つ作成できます。 しかし数値は意外に忘れやすく, 数ヶ月・数年後の自身が困るのですよね…同じ仕様の動画を作成できなくて。 (笑)

そこで, 比較動画の作成手順を覚え書き代わりに記事として残しておくことにしました。 この手のネタは久々なので, もう何度も同じことを書いている部分についても, 敢えて分けて説明しておくことにもします。

 今回使用する LumaFusion の版ですが, タイトルどおり 4.1.3 となります。 前回の作成手順記事では 3.2.3 でしたから, メジャーバージョンアップもしているわけですが, 操作方法などは こと今回の説明部分に限っては変わっていませんので, その方面の違いを気にする必要はありません。 あ, 該当箇所でも書きますが, H.265 な動画を上手く PC へ転送できない辺りは同じなので, 引き続き H.264 な動画での話となります。

一方のデバイスは iPhone 15 Pro となります。 わざわざ古い機種を使う必要もありませんので…。 もっとも, 手持ちの iPhone 13 Pro や iPhone 11 Pro…どころか, iPhone Xs 辺りを使ったとしても大丈夫でしょうけれど…。 あ, ストレージが足りない可能性はありますね, 古いものだと。

生け贄は, 先日の記事で扱ったデレステの『レッド・ソール』各設定での動画 3 つとします。 要は前回記事で挙げた比較動画と同じものを作成してみようという訳ですね。 選択理由は単純で, シャニソンだと比較が比較にならないほど似たような動画が並ぶことになりますし, ミリシタのほうは 2 つでの作成となる分少々話が簡単になりそうでしたので…。

で, いつもなら横画面で使用するところなのですが, 3 つを比較した動画は縦長ですので, 今回は縦向き画面で使用することにしました。 さらに, 既定の画面配置を使わず, 作業画面とソース画面を切り替えるタイプの表示を採用しています。 LumaFusion に慣れていない方には解りづらいと思いますが, そのような方は比較動画なんて作成しないでしょうし, 必要なら以前の編集ネタ記事もありますので…。

当該表示タイプを選択したのも単純な理由で, 「編集中の動画がなるべく大きく表示されるようにしたかった」からです。 その表示での動画もありますし…。

 それでは手順の説明に入ります。 最初はプロジェクトの作成と取り込みです:

まずは左画像。 LumaFusion 起動直後の初期画面で, 左下 2 番目の "+" マークなアイコンをタップしてプロジェクトの新規作成を行います。 するとポップアップ画面が表示されて, フレームレートやアスペクト比等を聞いてきますので, それぞれ「60 フレーム」「3:4 SD/iPad Portrait」を選択します。 色空間は標準を使いますので何も指定しません。 お好みで指定すれば良いでしょう。

余談ですが, 基本的に全く同じ動画を作成しても…というわけで, 今回は縦横比率の異なる動画サイズを選択しています。 前回と同じものを作るのであれば「2:3 Photo Portrait」を選択することになります。 縦と横のどちらに黒枠なブランクを許容するかで選択すると良いでしょう。 前回のタイプは縦長表示なスマホ, 今回のタイプは横長表示な PC やタブレット向けの設定と言えそうです。

話を戻して, プロジェクトを作成したら, 中央画像のように まずは 1 つめの動画ソース (3D リッチの動画) を選択して, そのまま取り込みます。 この時点でトリミングを行うことはしません。 タイミング合わせにより 3 つの動画それぞれの時間的位置がズレることから, それが終わるまではトリミングのしようがありませんので…。

1 つめを取り込んだら, 右画像のとおり, そのまま 2 つめの動画ソース (3D 標準) を選択して取り込みます。 今読み込んだ動画だけが表示されて, 最初の動画に上書きされているように見えますが, 下に表示されているソース一覧で 2 つの動画が選択状態になっていて, その 2 つが読み込まれていると判ります。

 取り込みの続き:

まずは左画像ですが, 同様の手順で 3 つめの動画ソース (3D 軽量) を選択して取り込みます。 中央画像…。 ソース一覧画面から作業画面へ切り替えると, このように 3 つの動画が連結されていると判ります。 作業画面をピンチインすると, このように縮尺を小さく出来ます。

今回は比較動画の作成ですから, 「3 つの動画が同時進行してくれないと困る」というわけで, 右画像のとおり, そのように 3 つの動画のタイムラインを変更します。 適当にドラッグすると「先頭を合わせたいの?」といった感じで, 吸い込まれるように位置が変わってくれますので, 合わせるのは楽ちんです。

因みに下段が基準となる 3D リッチの動画。 真ん中と上段は, それぞれ 3D 標準と 3D 軽量の動画です。 後に取り込んだものほど前面に配置されますので, 3 番目の動画である 3D 軽量の映像のみ表示されます。 勿論, 透明度を変更すれば 3 つが重なって表示されることでしょう。

あ, そうそう。 左上画像を見ると, 画面レイアウトアイコンが表示されていなくて「これで どうやって画面を切り替えるんだ?」な状況に陥っているのが判ります。 これは, 表示されていない作業画面内で 3 つめの動画が選択状態になっているからです。 そして普通の操作方法に限っていえば, 画面を切り替えないことには, タップするなどして選択状態を外せず, 実は詰んだ状況だったりします。

そこで, 最下段の右から 4 つめのアイコンをタップして「クリップボードへコピー」を行うと, 無事選択状態が外れて画面切り替えを行えるようになります。

 比較動画なので, 3 つの動画が並んで表示されるように位置を変更します:

まずは左画像ですが, 1 つめの動画をダブルタップすると表示方法変更画面に切り替わりますので, オフセット -66.5, サイズ 96 % として上部に表示されるよう変更します。 サイズまで変更するのは, 動画を三つ並べると 1:1.38 の比率となるのに対して, 「3:4 SD/iPad Portrait」が 1:1.33 相当で, 縦が足りないからです。

次に中央画像。 3 つめの動画を同じようにダブルタップして, オフセット 66.5, サイズ 96 % として, 1 番目とは逆の下部に表示されるよう変更します。 最後に右画像のとおり, 2 番目の動画を位置はそのまま 96 % のサイズに変更します。 これで 3 つの動画が並んで表示されるようになりました。

因みに, 「2:3 Photo Portrait」ならサイズ変更は必要とせず, オフセットが 62 となります。 前回記事のミリシタな 2 つでの比較動画なら, 縦横比が同じ正方な動画を作成するようにして, オフセットは 46.5 です。

 タイミング合わせ可能なように基準動画以外の冒頭部分を切り取っておきます:

基準となる 1 番目の動画より 2 番目以降の動画を (時間的に) 前へずらすことは出来ませんので, それらを前へもずらせるように, 2 番目と 3 番目の動画について, 冒頭部分を適当に削除しておきます。 前もって 3 つの動画が どれだけズレているのかをチェックしておいて, それをカバーできる位置で削除するのが吉です。

画像では同じ位置でカットしていますが, 位置を合わせる必要はない…以前に, 何処まで削除するかは各動画のズレの程度によります。

 動画のタイミング合わせを行います:

同じライブの動画による比較なので, 音声でタイミングを合わせるのが楽です。 (可能なら) 1 フレーム単位で位置合わせを行えるよう, 作業画面のスケールを限界までピンチアウトしておきましょう。 ハイライト部分が白く表示されるようになったら, 概ね 1 フレームでの移動が可能です。 ついでに, 位置合わせに便利な, グラフが特徴的な形状になっている箇所を探しておきましょう。

まずは左画像ですが, これを見ると 1 つめと 2 つめの動画は 10 フレーム未満のズレで済んでいるのが判ります。 作業画面の 3 動画に表示されている折れ線グラフみたいなのが音声データ (水平線みたいなのは音声レベルを表すゲイン) を表していて, 1 番目動画のハイライト位置と同じ変化が 2 番目動画の表示右端部分に現れているのが解ると思います。

中央画像…。 2 番目動画をドラッグして 1 番目動画とタイミングを合わせます。 続いて右画像のとおり, 3 番目動画のタイミングを合わせます。 この画像を見ると解りますが, 3 番目の動画 (の音声) はピッタリと位置合わせできていません。 これは, ここまでの編集で僅かに音声データーのタイミングがずれてしまっているからです。 もっとも, 1/400 秒程度のズレなので実害はありません。 機械ならズレを認識できるでしょうけれど。 (ハイライトの分だけズレて 1/100 秒。 ^^;)

 最終箇所を決めて, そこから先の必要ない部分を切り取ります:

まずは左画像ですが, 最終位置を決めたら, 動画の選択状態を外した状態でカットアイコンをタップします。 すると 3 つの動画が同じ箇所で一括して分割されます。 因みにライブ後の台詞が始まる直前を最終位置としました。 あまりギリギリにすると台詞の音声が紛れ込んだりしますので, 「直前」といっても多少なりとも空けています。

続いて右画像…。 1 番目動画の必要ない後方部分を削除すると, 残り 2 動画の該当部分も一緒に削除されます。 ここから解る教訓は「個別に扱う必要があるなら 1 番目は最後にしろ!!」です。 アンドゥーは可能ですが, 元通りに戻らなかったりタイミングがズレたりして「振り出しへ戻る」となるケースが多々ありますので。 (^^;)

 同様に開始箇所を決めて必要のない部分を切り取ります:

1 つ上と同様の手順で, 開始位置を決めた上で そこより前の必要ない部分を削除します。 ライブ前の台詞はライブ本編のシーンまで継続しますので, シーン切り替え前の適当な箇所で分割しています。

 末尾部分にフェードアウトの挿入を行います:

まずは左画像ですが, 1 番目動画の最終箇所にフェードアウトのトランジションを挿入します。 ここでは 0.5 秒の長さを指定していますが, お好みで大丈夫です。 ただ, あまり長くすると本編にまで掛かったり, カットしたはずの後ろの音声や映像が入り込みますので, そこだけは注意してください。 見かけとしてはカットされていても, プロジェクトとしては, 取り込んだソースの全データーが (元の動画の形で) 残っています。

続いて右画像…。 1 番目の動画の分割位置 (トランジションの開始位置) が選択されている状態で, 2 番目と 3 番目の動画でもトランジションの挿入を行います。 選択位置が正しければ, 自動的に 1 番目と同じ長さ・形態のトランジションが挿入されます。

 冒頭部分にフェードインの挿入を行います:

1 つ上と同じ手順で冒頭部分にフェードインのトランジションを挿入します。 後方部分以外では, 2・3 番目動画のトランジションの長さが 0.01 秒ズレやすいです。 これは, ファイル構造の影響もあって, 本編側動画の再タイミング合わせが行われるからです。

ズレが発生した場合は, 基本的にトランジションの長さを同じ数値に指定し直せば大丈夫です。 しかし, 運が悪いとトランジション挿入前まで戻さないと動画がズレます。 更に運が悪いと…最悪アンドゥーでも元に戻らず振り出しに戻ります。 (最初からやり直し。 ^^;)

 この時点で動画を再生すると, こんな感じです:

完全にタイミングを合わせるのは無理なことも多いですが, これくらい音のタイミングが合っていれば十分でしょう。 あ, 3 動画分の音声が重なっていますので, 当然ながら やたらと音が大きかったり, 低音が強すぎて こもっているように聞こえたりします。 (ズレの程度を知らしめるためなので, それで良い。)

ここで音や映像がズレていると判るようなら, タイミング合わせをやり直したほうが良いでしょう。 勿論, 合わせようが無いケースもありますので, 程度と方針のトレードオフになります。

 3 つめ動画の音声を削除します:

音声は 3D リッチな 1 つめ動画のものを使いますので, 残り 2 動画の音声を削除します。 まずは左画像ですが, 3 つめ動画を選択して下段左から 2 番目の音声分離アイコンをタップして映像と音声を分離します。 緑色のものが音声のみのデーターです。 続けて中央・右画像のとおり, 当該音声を選択して削除します。

 同様に 2 つめ動画の音声を削除します:

1 つ上と同じ手順で 2 番目動画の音声を削除します。

 音声の冒頭を映像に合わせます:

分離した音声データーにはトランジション部分が含まれていませんので, 境界部分をドラッグしてトランジションの開始位置まで音声データーを拡げます。 ここでも合わせたい位置へ勝手に吸い込まれるので, 位置合わせに苦労することはありません。

ところで, これ…。 なんで音声データーのみなのに円盤アイコンなのでしょう? 逆に上の映像のみとなったほうにスピーカーアイコン (のみ) が表示されていますので, これって絶対バグで本来は逆ですよね? (笑)

 同様に音声の末尾を映像に合わせます:

1 つ上と同じ手順で, 音声データーの末尾をトランジション終了位置まで拡げます。 ここで音声データーの末尾にライブ後の台詞が入り込むようだと, 「トランジションが長すぎた」ということになります。 今回の比較動画であればゲインの操作でリカバリーは可能ですが, 多くの動画では このような場合, 後ろの表示させたくない映像が入り込むことになります。

 ゲインを調整し音声のフェードイン・アウトを行います:

まずは左画像…。 音声データーを選択した状態で下部の鉛筆アイコンをタップしてゲイン調整画面を表示させます。 表示されたらポイント追加アイコン (左から2番目の「×」マークな青いアイコンの箇所) をタップして, 調整ポイントを追加し, ゲインを -90.0 dB…つまり無音に調整します。

続いて中央画像ですが, フェードイン終了位置で同じように音声の調整ポイントを追加し, 今度は -0.0 dB…つまり通常レベルに調整します。 画像を見ると お解りのように, フェードインの部分でゲインを表す線が右肩上がりになっています。

この部分…。 台詞終了地点まで無音にするのは簡単なのですが, それを行うと「シーンは変われども ずっと無音」という状態が続いて違和感が生じますので, 敢えて台詞を残してあります。 因みに前回記事の比較動画では無音にしてありました。

最後に右画像…。 同じように末尾部分に音声のフェードアウトを入れます。 入れ終わったら 1 度再生して映像共々期待どおり行われているか確認しましょう。

 調整・加工が終了したら右下の "↑" アイコンをタップして動画の書き出しを行います:

動画の形式を聴いてきますので, 60 FPS の H.264 を選択します。 解像度は「1080x1440 - 1080p」, 画質は 12 Mbps を選択します。 音質は特に指定せず 44.1 kHz のまま。 ここで H.265 を選択すると PC が異常認識して以降当該デバイスを扱えなくなるファイルが出来上がります。 (^^;)

出力が終了したら, 必ず出来上がった動画の全体を再生して最終確認を行いましょう。 iPhone 上での再生は勿論ですが, 例えば Web へ上げる動画であれば, PC 上での再生も確認しておく必要があります。 なお, この確認は「PC へ転送した PC 上の動画ファイル」で行わないと意味がありませんので, 念のため。 (^^;)

 …といった感じに iPhone 15 Pro 上で作成した 60FPS 動画は以下のとおり:

動画のサイズは異なりますが, 同じソースから作成していますので, 前回記事の 4 月 22 日な動画と基本的に何も変わりません。 むしろ違っていたら困ります。

あ, そうそう。 実は今回の記事は最初 2:3 な比率で 4 月 28 日に動画を作成して原稿も書いたのですが, 5 月 3 日…つまり今日になって急に思い立って 3:4 な動画に変更して画像や動画を全て挿し替えています。 なので, ファイル名上の日付は「0428」ですが, 実際は「0503」です。 HTML 上は まだしも, 画像・動画各ファイルのファイル名変更が邪魔くさくて, 手を抜きました。 いえ, コマンド一発で一括変更可能なのではありますが, あれは下手をすると他のファイルを巻き込んで大惨事となりますので。 (^^;)

 …といった感じで書いておけば, 数年後な自身の役に立つことでしょう。 iPhone の更新で微妙なアスペクト比率の変更に伴い数値等が変わって役に立たなくなりそうですけれども…。 (笑)