Kindle for PC...
1 ヶ月以上書くのをサボっていたおかげで今更の話題ですが…。 (^^;)
長らく英語アカウントなど海外の設定でしか使えない状態が続いている Windows ストア版 Kindle アプリ (Kindle for Windows 8) ですが, 以前から書いているように, 日本国内での Kindle 書籍を含む書籍販売の商習慣とストアアプリでのコンテンツの扱いが相容れないことから, 残念ながら今後も日本向けのストアアプリが登場することはないと思います。 結果, 今のところは Kindle Cloud Reader を使うしかないわけですが, 「Cloud」と銘打っているだけあって このアプリは基本的にオンラインが前提となっていて, ログインしている間は良いのですが, ログオフしたり回線が切れたりするとダウンロードしたコンテンツが削除されてしまう使い辛いものとなっています。 高速通信が常に可能で またログインしっぱなしを厭わないのであれば何も問題ないのですけれどね…。
とはいうものの「使い辛いものは使い辛い」のは海の向こうも同じだったらしく, Windows デスクトップ版アプリである「Kindle for PC」が今年に入って登場し, 程なく MAC 版も追随しています。 ところが, これが Kindle Cloud Reader 以上の使い物にならない代物だったのでした。 右画像を見てのとおり, 余計なコントロールやメニューのせいで肝心の書籍が中央で小さく表示されるだけになってしまっています。 もはや何を表示しているのか本末転倒で, 5.3 インチのスマートフォンのほうが大きく表示されるくらいです。 15 インチなど大きな画面のフルスクリーンでなら十分表示面積を確保できますが, コントロールの邪魔な点は変わりありません。
しかし, なぜ このような訳の分からない仕様にしたのかしら? 「27 インチ~33 インチの 5760x3240 な画面でウインドウ表示するような使用法しか想定していない」とでも言いたくなる画面構成です。 両脇に表示されているページ切り替えボタンの幅を変えれば多くが解決するくらいの問題なのに, これが どのような表示状態になろうとも画面に対する幅の比率が変わることは (ほぼ) ないのでした。 (^^;) そういった余計な部分だけ Windows ストアアプリの影響を受け継いでいるという, いかに開発陣自体が当該アプリを使わないか良く解る事象です。 (笑)
そもそも, なぜページ切り替えボタンなどという余計なコントロールが必要なのでしょう? iOS 版や Android 版と同じように, ページ自体をクリックする方法で何の問題もないと思うのですけれど…? もし, それが API か何かのせいだと言うのであれば, どのような開発環境や OS を想定しているのは判りませんが, 「そんな, 退化した仕様のプラットフォームになんて未来なぞ無い!!」と言ってあげます。 (笑)
さて, 愚痴ばかり書いていても仕方がないですし, せっかく一通り実行可能な環境を使っていますので, 各環境のスクリーンショットを並べてみます。 まずは, 自身が常用している Genymotion 上の Kindle for Android です:
右端に Genymotion コントロールが表示されている分少々小さくなっていますが, コントロールを非表示にすれば縮小なしで表示されます。 Kindle は Android 環境が基本なので, 当然ながら一番問題なく使えます。 この点は大きいですね。 リスト表示も表示数が 9 と少ない分一覧性は劣りますが, これくらい大きく書影の表示されたほうが有り難いですし, タイトルも概ねそのまま確認できます。 ただ, Genymotion はハードルが高めなので, 万人に勧められないのが大きな欠点ですね。 (^^;)
次に Windows ストア版アプリの Kindle for Windows 8。 この記事のためだけに本アカウントを使ってコンテンツをダウンロードするわけにもいかなかったので, ホーム画面だけです。 いえ, 同じ PC で複数のアカウントを使うとソフトやアプリが混乱してしまい, 再インストールが必要になってしまうのです。 全コンテンツのダウンロードし直しは苦痛ですので…。 (^^;):
「これが使えたら良かったのに…」という声は耳にタコができるほど聞こえてきますが, 日本の (出版業界の) 商習慣と相容れないのが原因なので, Amazon へいくら要望を出したところで登場は見込めません。 あと, スワイプ方面が意外と利かなかったりと, そんなに使いやすいとは個人的には思えませんでした。 (^^;)
さらに, Kindle Cloud Reader です:
Web ブラウザーで Amazon の専用ページへ見に行っているだけなので, ブラウザーの仕様を多少ながら受けてしまうのが難点と言えば難点です。 その辺りもあって周りにマージンを取られてしまっているのは仕方がないところでしょう。 もっとも, これくらいなら まだ許せる範囲で, 「Kindle for PC」に比べれば遙かにマシです。 で, ここが重要なのですが, Kindle Cloud Reader には余計なページ切り換えボタンが存在しません。 そして, これで何の問題もないのでした。 (^^;) 一方のリスト表示は, タイトルや著者名がテキスト表示される分だけ書影が小さくなってしまっています。 大きな画面なら問題ないわけですが, 個人的には書影の大きいほうが有り難いです。
最後に, Kindle for PC です:
とにかく余計なコントロールやメニューが多く, そのせいで上の Kindle Cloud Reader と比べても明らかにコンテンツ表示が小さくなってしまっています。 気分的には 5.3 インチスマートフォン (1280x800 系。) 状態で, 実際そちらで見たほうが大きく感じるくらいです。 この辺りはリスト表示でも同じで, ただでさえタイトルや著者のテキスト表示で書影が小さくなっているのに, さらに左へメニュー表示を行っているせいで, 一覧性すら失われてしまっています。 「for PC」だけあって, 大画面での横向き表示しか考えていないのが良く解ります。
では大画面なら どうかというと…:
15.6 インチ FHD の 東芝 dynabook Qosmio T851/D8CR で Kindle for PC を最大化で実行しているところですが, 実は事態の変わっていないことが解ります。 最大表示クラスであれば「表示が小さくて困る」ということは流石にないと思いますが, ウインドウ表示や より小さい画面サイズの PC では無視できなくなってきます。
フルスクリーンはというと:
幸い縮小されることなく表示されている…のではなくて, 実は この際のマージンがページ切り替えボタンの横幅となっているのでした。 困ったことに, 縦表示だろうが上下左右に別の表示が加わろうが, この「画面全体 (コンテンツ表示領域) の幅に対する比率」が変わることは決してありません。
なので:
左端に見出し表示が加わっただけで, コンテンツが縮小表示されてしまうようになりました。 「ボタンの幅を半分にするだけでも随分状況が改善するはずにもかかわらず」です…。 こんなことをやっている (こんなことしかできない) ようでは, 先の見通しは暗いですね。
というわけで, せっかく登場した Kindle for PC ですが, 今後使われることはないでしょう。 (笑)
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